1990年代、英国の血液製剤に汚染の可能性 -ハイリスク国はトルコとブラジル(Hurriyet紙)
2006年05月02日付 Hurriyet 紙
英国は、1990年代に国外へ輸出された血液製剤に汚染のおそれがあり、この製剤を投与された人に狂牛病(牛海綿状脳症)が発症する可能性があるという警告を発した。英国からの2つ目の警告はさらに不安を高めた:「最もリスクの高い国はトルコとブラジルである」。英国健康安全局は、両国の保健省に必要な予防策を講じるよう警告した。英国は警告の中で、血液製剤が投与された患者を確定し、患者からの血液、臓器、組織の提供を防ぐよう求めた。
英国は、国外へ輸出された血液製剤に汚染のおそれがあり、この製剤を使用した人に人間へ感染する変異型の狂牛病が発症する可能性があると警告した。英国からの2つ目の警告はさらに不安を高めた:「最もリスクの高い国はトルコとブラジルである」。
■1990年代に輸入された血液製剤!
英国の代表的な新聞の一つであるガーディアン紙は、情報公開法に基づく質問に対する回答に依拠した記事の中で、トルコは英国から輸入した血液製剤に注意を払う必要があると指摘した。記事は、問題の血液製剤が1990年代に輸出され、「血友病や重度の衰弱、免疫システム不全」などの治療のために使われたと伝えた。
■肉からは28人が感染
同紙は、狂牛病が流行していた時期に英国から他国へ渡った肉を食べた28人が、ヒトに見られるvCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)に感染したことが確認され、当局は今度は「輸入された血液製剤により感染したが、まだ発症していないために(感染が)表面化していない」“第2の感染”を懸念していると報じた。
■「保健省は予防策を講じるべき」
イギリス健康安全局は、“血液の潜在的な汚染状況”について懸念しており、vCJD感染の潜在リスクは「全く予測不可能」であると認識していることが伝えられた。同局は、ブラジルとトルコの保健省に対しvCJD感染の可能性に注意し、必要な予防策を講じるよう忠告した。
■「患者を発見し警告を」
英国は、同国から輸入された血液製剤が投与されたトルコ人患者を特定し、彼らに「血液、臓器、組織を提供しないよう、また必要な場合は患者が医師や歯科医に注意を促すよう求める」必要があると伝えた。
国外においてどれほどの人が(血液製剤による狂牛病感染)リスクを負っているかは不明の一方で、この人数は英国では6千人におよぶと推定されている。
英国当局は、今日まで血しょう製剤によるvCJD感染事件は一度も起こっていないこと、また英国の血しょうから作られた製剤の使用は1999年に仮説的なリスクへの予防策として停止されたが、1999年以前にこの種の製剤を投与された人は感染のリスクを負っている可能性があるという警告も発した。
■政府は2004年に「問題はない」と言っていた
英国からやって来た血液製剤に狂牛病ウイルスが含まれる可能性があるという報道は以前にも話題に上ったが、トルコ政府当局は、トルコにある製剤は「感染のおそれなし」と主張していた。保健省は、2004年に報じられた同様の報道の後、「トルコ国内に入ってきた血液製剤の全種類を分析した」と報告した。
以前に発表された同様の警告では、トルコで1995年から1997年の間に輸血を受けた患者が感染リスクを負っている可能性があると伝えられていた。トルコ(政府)は、英国から輸入した危険な血液製剤の数は840組であると発表していた。しかし現在の英国からの“最もリスクの高い国はトルコ”という警告は、当時発表された数の信ぴょう性に疑問を抱かせた。
今回の英国での新しい報道によると、トルコとブラジルに輸出され、ウイルスの混入が明らかにされた血液製剤は“高い感染リスク”を、またブルネイ、インド、ヨルダン、シンガポールといった国々は“中程度のリスク”、ベルギー、モロッコ、エジプトは“低いリスク”を負っていると報告された。血液製剤を輸入したフランス、オランダ、イスラエルに対しては、自国による調査が求められた。
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( 翻訳者:新井 仁美 )
( 記事ID:2337 )