ムバーラク大統領、明日キプロス大統領と会談(アル・アハラーム紙)
2006年05月03日付 Al-Ahram 紙
■ ムバーラク大統領、キプロス大統領パパドプロスと両国間の関係及び中東情勢について、明日会談
■ 大統領、キプロス一の発行部数を誇る新聞に談話:「我々はあらゆる方面に対し、イスラエルとパレスチナの選挙によって生じた新しい現実に対応するよう呼びかける」
2006年05月03日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
ホスニー・ムバーラク大統領とキプロス大統領、パパドプロスは明日首脳会談を行う。様々な分野における両国間の関係、中東情勢、中でも和平プロセスの進展、パレスチナ情勢とイラク問題、バルセロナ・プロセスの枠組みにおける欧州・地中海諸国間協力、加えてシリア・レバノン情勢、文明間の対話、キプロス問題について話し合われる予定。
ムバーラク大統領は「エジプトはキプロス共和国の独立後、即座にそれを承認した最初の国のひとつであり、1960年には外交関係を樹立した」と語った。
エジプト-キプロス関係について大統領は、両国は特異な歴史的関係にあり、相互協力を発展させてきたと指摘、更に故マカリウス大司教が大統領としてカイロを訪問して以来40年ぶりとなるパパドプロス大統領のエジプト訪問は、両国の緊密な関係と、すでに存在する協力関係をさらに前進させると確信している、と付け加えた。
また大統領は、「経済や投資、ビジネス、石油やガスの探査といった新しい分野、文化・学問・科学技術、特に情報技術と通信技術など、様々な分野におけるエジプト-キプロスの相互協力の未来をきわめて楽観している」とも語った。
キプロス大統領は本日午後、4日間のエジプト訪問のためカイロに到着する予定。キプロス大統領によるエジプト公式訪問は40年ぶりとなる。
キプロスの有力紙フィレレフテロスの編集長アリストス・ミカリウス氏への談話の中でムバーラク大統領は、地域の和平実現に向けた希望を失ってはならないとして、「平和の実現はエジプトと国際社会がそのために労苦を払うのに値する高尚な目的である」と語った。
1948年から続いた一連の戦争の後、エジプトとイスラエルの間で和平が実現した事を指摘しつつ大統領は、「イスラエルとパレスチナの間で和平が実現できないのはなぜなのか?中東における人民の治安と安定のための様々な平和プロセスが実現しないのはなぜか?」と自問した。さらに大統領は、イスラエルのオルメルト次期首相にシャルム・エル=シェイフでの会合を呼びかけたと述べる一方、パレスチナのアッバース大統領とも常に連絡を取っており、同様にパレスチナの政治各派とも接触を続けることでパレスチナ側の足並みを揃え、共通の意見を発することができるようにし、パレスチナ側も和平のパートナーとして和平努力に参加していることを証明すべきだ、と語った。
「最近のパレスチナ、イスラエル両地での選挙はシャロン後の段階における新たな現実を生み出した。パレスチナとイスラエルの双方、さらには地域と世界のパートナーたち全てが、和平問題にとってプラスとなるよう、その新たな現実に対応しなければならない。パレスチナ政権、ハマース政府、パレスチナの政治各派には、国を内側から整備し、国益とパレスチナ人民の期待を実現し、人民の苦難を終結させることが課せられており、イスラエル政府の側もまた、和平努力に応え、一方的な措置は我々が求めているような恒久和平をもたらさないことを自覚すべきだ。さらに国際社会はパレスチナ人民に対する経済支援を継続すべきである」と、ムバーラク大統領は述べた。
(後略)
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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:2388 )