北キプロス大統領、ドイツ外相との会談でギリシャ系キプロスへの圧力強めるよう要請(Hurriyet紙)
2006年06月10日付 Hurriyet 紙
アメリカとイギリスの閣僚との会談ののち、北キプロス・トルコ共和国(北キプロス)のメフメト・アリ・タラート大統領は今度はシュタインマイヤー独外相と会談した。ドイツ外務省の迎賓館で行われた会談で、タラート大統領は「欧米が(ギリシャ系の)キプロス共和国への圧力を強めれば、キプロス問題の解決は容易になる」というメッセージを伝えた。
アメリカ、イギリスに続いてドイツも北キプロス・トルコ共和国との交渉に応じた。昨日(9日)、ドイツの首都ベルリンで、フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー独連邦外相と会談した北キプロスのタラート大統領は、北キプロスに対する孤立化政策は(キプロス問題の)解決策とはならないことを強調した。
首都ベルリンのダーレム地区にある、東西ドイツ統一前にはアメリカ連合司令部の置かれていた建物は、クラウス・キンケル元外相とヨシュカ・フィッシャー元外相兼副首相の時代と、大統領官邸「ベルビュー」の修繕作業の間ヨハネス・ラウ元大統領とホルスト・ケーラー現独大統領の迎賓館として使われていた。その建物で行われた会談は、当初の1時間の予定を超過して1時間20分に及んだ。
タラート大統領は、2007年1月1日にヨーロッパ連合(EU)議長国に就任するドイツの外相に、キプロス島での事態の進展について詳細な情報を提供する一方、問題解決のための支援を重ねて要請した。
EUの“推進力”の立場にあるドイツこそがキプロス問題の解決に重要な貢献をしうると述べたタラート大統領は、「アナン計画」に反対するキプロス共和国が報いを受け、国連と欧州評議会の決議にもかかわらず北キプロスが「罰を受ける」ことには納得の行く論理がないことにも言及。ドイツ外相に対し明確に「孤立化政策は解決にはつながらない。世界はこのことをよく理解すべきだ。またEUと国連の加盟国は、採択した決議通りに約束を守るなら、これらの組織への信頼は増す。我々キプロス在住トルコ人として、問題解決の準備は整っている」というメッセージを伝えた。
ドイツ外務省のスポークスマン、マルティン・ジャガー氏は「建設的な会談だった」と述べるに留まった。ドイツ側が見解を明らかにしなかった一方で、会談内容についてトルコ人評論家は「ベルリンはタラートをとても良く理解した」と評価した。
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( 翻訳者:古瀬 由加里 )
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