イラクの石油生産状況を米担当者が説明(サバーフ・ジャディード紙)
2006年06月11日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ 米担当官:イラク全土に183の石油部門特別プロジェクト

2006年06月11日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【バクダード:「イラクの声」通信社】

イラク復興のためのThe Project and Contracting Office(PCO)石油部門のアメリカ人担当官は土曜日、「サッダーム・フセイン政権崩壊後のイラクの1日あたりの石油生産規模は2003年以前よりも縮小している」と述べ、同時に11億8200万ドルを投じたイラク全土にわたる石油部門での183の特別プロジェクトの存在を指摘した。

 バグダードのグリーンゾーンで開かれた記者会見でPCOのミシェル・シルビック主任は、「フセイン政権崩壊以前の石油生産は1日平均250万バレルだったが、現在では日量160万バレルに過ぎない」と明かし、「イラン・イラク戦争や湾岸戦争のような攻撃的な政策を採ったサッダーム・フセイン前大統領が石油の生産を加速させたため、その生産率はフセイン政権崩壊後の数年間を上回っていた」と付け加えた。

 また11億8200万ドルを投入したイラク全土にわたる石油部門での183の特別プロジェクトの存在を指摘し、「その内訳は2億1000万ドルのコストで既に達成されたプロジェクトが65件、9億4900万ドルで現在建設中のプロジェクトが104件、2300万ドルの予算で今後開始されるプロジェクトが14件である」と述べた。また「これらのプロジェクトでは新しい施設を建設するのではなく、油井、パイプライン、搬送ステーションなどの石油施設を再整備、修理、発展させることを目指す」と付け加えた。

 シルビック主任は、これらの石油部門特別プロジェクトを今年いっぱいで完成させ、1日当たり原油300万バレル、LPG3000トン、天然ガス800立方メートルの生産を可能にできるという考えを明かした。また「イラク南部(バスラ・ルメイラ油田地帯)には日量220万バレルに達する1000の油井があり、さらにキルクークには日量80万バレル規模の600の油井があるが、全ての油井が稼働しているわけではない」とも述べた。

 さらに「原油採掘時に付随して取り出される天然ガスのような副産物は今のところ活用するプロジェクトが存在しないため油井で燃やされて無駄になっているが、これについても建設中のプロジェクトがある」と述べた。

 また石油輸出に関してシルビック主任は、「石油運搬の為の主なステーション(石油ポンプ)は現在15箇所あり、南部に5、北部に6、中部に4つという分布になっている」と述べたが、「バスラからの石油輸出のため南部で実際に稼働しているステーションは2つだけであり、トルコ、シリアへ輸出するため北部で稼働しているステーションは4つ、中部で稼働しているステーションはひとつもない」と明かした。彼はこれらのステーションを再整備・修理するプロジェクトの存在も指摘したが、この活動には困難と挑戦が立ち塞がっている。

また石油精製所と原油副産物の生産に関してシルビック主任は「14の小規模なプラントに加え、ベイジー(バグダード西部、サラーフッディーン県)、ドゥーラ(バグダード中部)、バスラでの3大プロジェクトがある」と述べた。

 さらに彼は「イラク再建のためのThe Project and Contracting Office(PCO)の任務は石油生産向上のためイラク政府を支援することであり、支援は純粋に技術的なものである」と語った。



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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:2717 )