ギョズテペ公園にモスク建設実現へカウントダウン(Radikal紙)
2006年06月15日付 Radikal 紙

イスタンブル広域市役所の下したギョズテペ公園へのモスク建設の決定は、「棚上げ(留保)プロセス」で建設計画に対する異議申し立てを退けることにより法的手続きを完了した。モスク建設を求めて嘆願書を提出した地域の住民または団体は、建設計画上で礼拝場に充てられたギョズテペ公園の一部にモスクを建設することが可能となった。

■議論は昨年始まった

イスタンブル広域市議会で昨日議題に取り上げられた建設・公共事業委員会の報告書では、カドゥキョイ1315番1号地にかんして2005年9月19日に効力を発揮した建設計画の変更に対する異議申し立てが検討された。すなわち、広域市役所が昨年都市計画を変更したギョズテペ公園の一部を礼拝場(の用地)に割り当てることに関する最後の法的手続きが行われた訳だ。

法律上の規定では、建設計画が議会で承認されたのちに「棚上げ状態で」個人または団体からの異議を受け付けている。棚上げ状態ののちに再度議会で審議される計画は、異議内容を考慮して却下された場合には変更が加えられ、またはそのまま承認されて法的手続きが完了する。

■「唯一の緑地」

委員会の報告書には、カドゥキョイ市役所、建築士協会イスタンブル支部と40人の個人が(モスクの)建設計画に異議を唱え、建設の中止を求めたことが記された。中止要求の理由としては、ギョズテペ公園が地域で唯一の緑地であることや、地震発生の際の唯一の避難場所であること、地区には既に宗教関連施設が十分にあること、公園にモスクが建てられた場合地域の交通事情に悪影響を及ぼしうること、都市計画の原則に反することが挙げられた。

一方、広域市役所都市計画局の報告書では、モスクの建設が要請された場所から最短で西に700メートルの場所にセラーミチェシュメ・モスクが、東側では1キロメートル離れた場所にガリップパシャ・モスクがあるが、都市計画の原則と計画理論の観点から見れば「徒歩圏」は半径500~750メートルでなければならず、人口(の多さ)から見ても地域に宗教施設は不足していると主張された。

都市計画上の要件で、礼拝場は徒歩10分で到達できる距離になければならないとする報告書では、道路の一車線が駐車場として利用された場合でさえ、地域の交通事情はモスクによりマイナスの影響を受けることはないと主張された。

■野党議員:他の場所に建てよう

イスタンブル広域市議会で演説した共和人民党(CHP)会派副代表のケマル・アカル議員は、モスクを建てることではなく、建てる場所に反対であると述べた。アカル議員の「このモスクを近隣の別の場所に建てたらどうか」との提案に対し、公正発展党(AKP)会派副代表のヒュセイン・エヴリヤオール議員は「ギョズデペ公園はそのままだ。モスクは公園ではなく、その脇の苗木園に建てられる」と反論した。モスク建設を認める決議に対する異議の却下は、AKP議員の賛成で承認された。昨日の決定により、モスク建設の道を開く建設計画の変更にかんする法的手続きが完了したことになる。広域市議会による計画変更決議に示された地域住民と市民団体が申請すれば、ギョズテペ公園へのモスクの建設は開始される可能性がある。市民の一人、オメル・レハ・アルカン氏は、ギョズテペ公園へのモスク建設のために嘆願書を提出していた。

広域市役所は、ギョズテペ公園以外にも同じ地区(カドゥキョイ)にさらに8つのモスクの建設を計画した。昨日の議会で、カドゥキョイの中心地区の高速E5線中間地区にあり、財団の所有する広さ6,105平方キロメートルの1015番60号地を礼拝場建設に割り当てることにかんする異議も却下された。ギョズテペ公園の件と並んで、地区への8つのモスクの建設も建設計画に組み入れられたことになった。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:2725 )