ババジャン国務大臣、EUとの交渉文書に「世俗主義」の文言、必要なしと判断(Milliyet紙)
2006年06月01日付 Milliyet 紙

 ババジャン国務大臣は、EUと6月12日に教育・文化の分野で交渉を始める政府が提出する「交渉見解文書」に、「トルコの教育システムは世俗主義である」という一文は必要ないとした。

 国務大臣で交渉担当総責任者のアリ・ババジャンは、EUと教育・文化の分野で進められる交渉を前に、トルコの方向性を示す「交渉見解文書」に「トルコの教育システムは世俗主義」という説明を加えるという官僚たちからの要求を受け入れなかった。文書に関する承認過程が完了していることと、新たな変更がトルコの交渉過程を遅らせることを理由に提案を拒絶したと説明したババジャン大臣は、「EUは世俗主義をよく知っている」と述べた。世論が初めてCNN-トルコから知らされた本件に関する概要は以下の通りである:
・CNN-トルコは草案にEU総書記局によって挿入された「トルコの教育システムは世俗主義」という説明がババジャン大臣により文書から除かれたという情報を得た。
・文書の準備に関わった責任者たちは、(官僚からの)提案が行政裁判所で発生した武装攻撃の後に、書面ではなく口頭で伝えられたと説明した。責任者たちは、ババジャン大臣が長となり、首相府、外務省、EU総書記局及び国家経済計画組織(DPT)の責任者たちが参加したごく少数の集まりで、文書が「承認の過程とEUとの交渉の開始を延期する」ことを理由に拒否されたことを明らかにした。
 クウェートにいたババジャン大臣は、書面での説明で、EU総書記局責任者によりこのような提案が行われたが、それは文書と関わる全ての承認手続きが完了した後、文書がヨーロッパ委員会に送られる段階で行われたと強調した。ババジャン大臣は提案を拒否する必要性を次の四つの理由を挙げて説明した:
1.文書の準備中、見解を問われたどの協会、組織もこのような形で提案をしなかった。
2.提案は文書の技術的内容とは関係なかった。
3.内閣及びすべての公的組織の見解と承認を得た原稿に、(提案を受け入れるため)また同じ期間を費やすことは、(承認の)過程を延期することになる。
4.他の候補国であるクロアチアは、文書をかなり以前に提出している。

■EUは政教分離を知っている
 これらの理由から提案を考慮に入れず、公的組織によって承認された最終文書をブリュッセルに送るように指示していた事を明らかにしたババジャン大臣の発表では、「トルコ共和国は民主主義、世俗主義で社会的な法治国家であり、このことは憲法にはっきりと謳われている。EU側にもよく知られているこの問題は、これまでの調査の過程で、一度も話題になることはなかった」という説明がされた。

■CHPから質問動議
CHP(共和人民党)イスタンブル議員ベルハン・シムシェキは、タイイプ・エルドアン首相に回答を希望するとして、トルコ大国民議会府に提出した質問動議において、「トルコの教育システムは世俗主義」という説明が官僚たちによって文書に組み入れられたが、交渉担当総責任者アリ・ババジャン大臣がその一文は文書には必要ないとして除いたという主張が正しいか否か」の確認を望んだ。シムシェキ議員は、以下の質問に対する答えを求めた:
・ババジャン大臣はこの一文に対して不快なのか?
・この一文を除くことは、2006年4月25日に貴党の会議であなたが演説中に語った、「いつの日かトルコでは誰も憲法の理念が自分たちより上にあって、より重要なものだとは考えないだろう」という言葉で明らかなように、あなたが目標とする‘ある日(トルコが世俗主義でなくなる日)’の(喜びの)足音と同じなのか?



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( 翻訳者:佐藤 淳也 )
( 記事ID:2589 )