フェトフッラー・ギュレンの無罪判決に検察官が上告(Milliyet紙)
2006年06月25日付 Milliyet 紙
アンカラ共和国検察局のセリム・デミルジ検察官は、「憲法的秩序を変える目的で非武装テロ組織」を設立した容疑で開かれた訴訟で無罪を言い渡されたフェトフッラー・ギュレンにかんする判決を不服とし、(最高裁に)上告した。
上告趣意書には、ギュレンに対する審理さえ行わずに判決を下したことは法的手続に反しており、公安局からギュレンについて送られた新旧の報告書にも矛盾点があると記された。ギュレンについて旧国家治安裁判所のヌー・メテ・ユクセル検察官が「非武装テロ組織」設立の容疑で行った訴訟は、2003年に条件付釈放法(恩赦)の対象となったため延期された。ギュレンの弁護団も、テロ対策法の改正を根拠に訴訟が無罪で結審するよう4月に改めて控訴した。
弁護団は、控訴趣意書の追記として、公安局から得た「ギュレンには武装テロ組織との関わりがなく、国家の憲法的秩序を乱す目的の活動に参加していなかったこと」を報告した文書も法廷に提出した。アンカラ第11重罪裁判所も、憲法的秩序を転覆させる目的がなかったことや、急進的な宗教組織によって脅迫されていたことを明らかにしたギュレンに無罪判決を下した。
■検察官が上告
裁判所のこの判決を不服とするデミルジ検察官は、最高裁判所に上告するため法廷に提出した1枚の趣意書の中で、アメリカにいるギュレンに対する審理さえ行わずに判決が下されたことは法的手続や法に反していると主張した。公安局がこれまでにギュレンに関して(裁判所に)送った報告書と、弁護団が法廷に提出した最新の関連文書の間に異なる点があると指摘するデミルジ氏は、この矛盾を取り除く必要性を強調しつつ、判決が手続きの面からも根拠の面からも無効とされるよう求めた。最高裁判所第9犯罪法廷が上告要求を検討し、結論を出すことになっている。
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( 翻訳者:井上さやか )
( 記事ID:2814 )