イスラム風スカーフ姿での受験禁止をうたった条項が変更に(Radikal紙)
2006年06月05日付 Radikal 紙

国民教育省は、2002年2月付の公報誌で告知された中央試験通達の改定に乗り出している。通達の改定案は、公報誌に掲載され、ヒュセイン・チェリキ教育相の承認を待っている。改定案では、中等教育機関試験、無料寄宿舎、奨学金、通信教育、自動車免許証取得に関する試験ならびに公的・私的機関によって署名された取り決めにより行われる選抜・配属・任用・昇進・肩書きの変更などに関する試験の規定が新たに定められた。

■スカーフ禁止条項を削除

現行の通達には、国民教育省が行う中央試験を受験するためには「頭部にかぶりものがない」ことが必要と記載されているが、新通達案ではこの表現が削除された。また現在の通達にある「学校長と2人の副校長からなる学校試験委員会の任務」の中の「委員会は初等、中等教育機関で教育を受けた受験者に、かぶりものをせず、清潔で、整った、過度でない服装で中央試験に臨ませること」という条項は、草案では「受験者が清潔で、整った、過度でない服装で試験に臨ませる」という表現に変更された。試験官も規則にのっとった服装で職務に就くよう求められた。

■「支持基盤へのメッセージ」

国民教育省の草案に対し、共和人民党と教職員労働組合は次のような反応を示した。
・共和人民党国会議員ムハッレム・インジェ氏
チェリキ教育相は、これまでに80もの規定を変更したが、この数はトルコ共和国始まって以来の記録的な多さだ。唯一、中央試験システム規定にだけは手をつけていなかったのだが、ついに順番が来たということなのだろう。彼ら(公正発展党政権)は国の全組織と衝突している。世論の批判を浴びれば、撤回している。目的はスカーフ問題で支持基盤にメッセージを送ることであり、「我々はやろうとしたが、彼らがそうさせなかった」という印象を与えることだ。もしそうでないならば、彼らには解決しなければならないような問題など無い。

・教職員労働組合アラディン・ディンチェル書記長
トルコでは最近、とりわけ世俗か、反世俗かで対立が起こりつつある。これは、いくつかの勢力による腕相撲や力比べになぞらえることが出来る。その最も新しい例が行政裁判所への襲撃だ。我々は、中央試験規定の変更により公正発展党が支持基盤にメッセージを伝えようとしたと考えている。私たちの考えでは、どちらの立場が行うことも民主主義にはマイナスとなる。しかし本当に被害を受けるのは、トルコが真に民主主義的、世俗的で、自由な国であることを望む人々である。作りものの議論が作り上げられようとしている。公的な場所でどのように行動しどのような服装をするべきかは、極めて明らかだ。試験が行われるのは公的な場所であり、試験が一般市民を関わらせる行為であることから判断すれば、試験に臨む者はスカーフをかぶってはならない。

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( 翻訳者:坂 泉穂 )
( 記事ID:2623 )