前大統領ハータミー氏:イランに対する核問題は政治的である シャルグ紙
2006年06月01日付 Sharq 紙
2006年6月1日付 シャルグ紙2面
[イラン学生通信(ISNA)]
文明と対話国際センター所長[前大統領ハータミー氏]は次のように述べた。「私はクウェートで開かれたイスラーム開発銀行の第31回会議で、パレスチナ自治政府支援のための基金の設立を提案した。この基金の設立はイスラーム諸国にいかなる種類の圧迫も与えず、この基金を通してパレスチナ自治政府と国民の諸問題を解決することができる。」
文明と対話国際センターの広報担当によれば、セイイド・モハンマド・ハータミー氏はペルシア湾岸諸国の記者らとの会見で次のように説明した。「イラン・イスラーム共和国の平和的核利用に関する問題は政治的であり、この問題は政治的に解決されなければならない。我々は本当に核兵器生産の意図はなく、平和的な核エネルギー利用を主張する。もしアメリカが異議を唱えなければ、この困難は解決可能である。」ハータミー氏は続けて、「この事実を理解している別の国々は、イラン及び中東地域、さらに世界に対して困難を生じさせない」と希望を表明した。
文明と対話国際センター所長は、イランの原子力発電所で懸念される放射能汚染についてのペルシア湾協力会議参加諸国の懸念に対して、「これは外部から我々の地域に対して強要された心理的な戦いである」と語った。
また同氏は次のように表明した。「イラン・イスラーム共和国は原子力施設の安全利用に対して数千万ドルを支出し、この発電所は完全に国際基準に則しており、国際原子力機関(IAEA)監視下にある。もしこのような[放射能汚染の]可能性が存在するのなら、国際原子力機関(IAEA)は原子力発電所の始動を許可しないだろうし、従って、我々はこの懸念は心理的な戦いであるとみなす。」
文明と対話国際センター所長は、次の大統領選挙への参加の可能性についての質問に答えて、「次の大統領選挙開催までには多くの時間があり、この問題に関しては別の機会に意見を述べる」と語った。
またハータミー氏は、イランに関してイラクと同じようなシナリオが繰り返される懸念はないかという質問について、「[そのような懸念は]決してない。なぜなら、我々は核不散条約(NPT)のメンバーであり、国際原子力機関(IAEA)と多大な協力を行っており、現在まで一切隠れた行動はとっておらず、根本的に我々の戦略は核兵器生産ではないからである」と述べた。
同氏は続けて、「イラクにおける不法占拠者たちは困難に直面し、イラクの治安をより不安定にさせた。アメリカがこの経験を再び繰り返すことを願っているとは思わない。アメリカの世論もこのような事態は許さないし、実際にイランをめぐる状況はイラクとは異なる」と語った。同氏はまた「我々はこのような事態が生じないと確信しており、イランも国際社会も中東においてさらなる危機が生じないよう努力しなければならないと信じている」と述べた。
さらに同氏は、「残念ながら、民主主義的に登場したパレスチナ自治政府はアメリカとイスラエル及び他の諸国の激しい圧力下にあるが、それでもなお自国の国民に貢献しようと努力している」と述べた。
同氏はイラクに関するイラン・イスラーム共和国の立場については、「我々は常に、イラク国民の真の代表である選ばれた政府の樹立を擁護してきた」と語り、続けて、「我々は、イラク国民と政府は他者の干渉なしに自国の困難を解決する段階に到達したと信じており、いかなる陣営からのいかなる干渉であれ、イラクにおける治安の不安定を悪化させる」と述べた。
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( 翻訳者:下山伴子 )
( 記事ID:2632 )