ナーンの20%値上がりは否定されたが、米は来週から値下がりする予測 ハムシャフリー紙
2006年06月08日付 Hamshahri 紙

【株式市場部】ここ数日、ナーン・米市場では盛んに噂が飛び交っている。ナーンが値上がりするという囁きが聞かれる一方、来週早々、米が値下がりするという報道もある。

これにかんし本紙は次のように報じている:一部のメディアが昨日、商業省と小麦粉・ナーン処罰庁及び穀物庁がナーン価格20%の値上げに同意したと報じたが、ホセイン・ナザリー、テヘランナーン業者組合長は、そのような同意にはいたっていないことを強調し、「関係当局の意見の相違はナーンの値上げ率をめぐるもので、その話し合いではテヘランナーン業者組合から提示されたパーセンテージが検討された。話し合いの最後、値上げ率20%の認証作業が経済評議会の承認に委ねられた」と述べた。

同氏は、一部のナーン業者がナーンを値上げしているのは非論理的な現行価格に起因するものだとした上で、「イラン暦83年(西暦2004-05年)に承認されて以来現在までナーン価格は、小麦粉の価格が90%上昇したにもかかわらず、変更されてこなかった。したがって、ナーン業者が承認価格に違反しても厳しい取締りは行われてこなかった」と述べ、「現在、我々はナーンの値上げが経済評議会に承認されるのを待っている。価格が論理的になることで、業界に対する理にかなった監視が可能になる」と付言した。

ナザリー氏は、「テヘラン市北部と南部でナーンの値段に差があるが、これは新価格発表後も続くか?」との問いにこう答えた。「現在、市北部と南部では品質の異なる2種類の小麦粉が配送されている。品質と価格の異なる2種類のナーンを焼くため、市北部では45トマーン(約6円)の小麦粉が、市南部では7トマーン(約1円)の小麦粉が配送されている。この過程は将来も続くだろう」

同氏はまた、「新価格が経済評議会に承認され、施行されるまでは、身勝手な値上げはいかなるものであれ確実に、小麦粉・ナーン処罰庁の取り締まりを受けるだろう。たとえ労働者の賃金と保険料などの経費が、税金と相まって、我々業者を圧迫し困難な状況に追い込んでいるとしても、このような難局が承認価格を疎かにすることにつながってはならない」と述べた。

● 公式見解の表明
テヘラン10区の穀物会社代表取締役、セイエド・レザー・エグダーイー氏は以前、ナーン業者が様々な問題を抱えていることを根拠に、経済評議会による新価格決定を早めるよう求め、「小麦粉とナーン価格の案件は今年、州庁から経済評議会に委ねられ、評議会が新価格にかかる商業省と穀物会社の専門的意見を聞いた上で価格を決定することになった」と述べていた。

同氏はナーンへの政府助成金額が高いことを批判し、「現在、自由市場価格で一袋10,000~12,000トマーン(約1,278~1,533円)する小麦粉が、ナーン業者には300トマーン(約38円)で供給されている。助成金の総計は年間2兆5千億トマーン(約3,193億円)に相当する」と述べていた。

さて、アフマド・ターヘリー商業次官はモウジ通信との談話で、ナーン業者組合幹部たちがナーン価格決定の話し合いに出席したことに触れ、「我々はナーン価格にかんし、公表できるような結論には全く達していない」と述べ、「ナーン価格を20%上げたいという申し出があったが、我々はナーン業者組合員と何の合意にも達していない。ナーンの値上げに踏み切るナーン業者は小麦粉・ナーン処罰庁の処分を受ける」と、新価格が決定していないことを強調した。

次官は、経済評議会の承認事項に基づき、商業省が本年度のナーン価格を検討し、省案を経済評議会に提出することになったとし、「これ以外のいかなる当局にもナーンにかんする決定権は無い。これまでは、テヘランのナーン価格は商業省が決め、他の州では州庁が、商業省から提示された枠組みに沿って決めていたが」と説明した。

● 米の値下げ
一方、米市場では米が値下がりするとの噂がいまだ優勢で、業界の小売商は来週土曜、価格をどうするかを明らかにする。ここ数日、チャハールラーヘ・モウラヴィー卸売市場の卸売業者たちは米値下がりの可能性を話題にしてきた。つい最近の市場変動でタイ米が取引市場から締め出され、ウルグアイ米がこれに代わったのを目にした小売商たちは、ホルダード20日(西暦6月10日)土曜まで、値下げの定着化に抵抗し、過去の価格で市場を運営するつもりでいる。

昔に比べ、今は種々の国産米と外国産米の価格差はさほどない。たとえばテヘランのチャハールラーヘ・モウラヴィー卸売市場では、ターラメ・ラメザーニー米はキロ当たり720トマーン(約92円)、ターラメ・ハーシェミー米はキロ当たり1,480トマーン(約189円)、ハーシェミー・モアッタル米が1,450トマーン(約185円)、パキスタン米が約1,000トマーン(約128円)で売られている。

米市場の他の推移としては、テレビコマーシャルの影響で、良質とは言えない数銘柄の価格が理不尽な変動を見せたことが挙げられる。これにかんしチャハールラーヘ・モウラヴィーの卸売業者、ハミード・モガッダム氏がこう述べた。「残念ながら、表示とは無関係で非現実的な包装がほどこされたパキスタン米数銘柄がテレビコマーシャルの影響で不自然な値上がりをみせている。例えば、かなり上物の銘柄でも、コマーシャルに出ている数銘柄に約150トマーン(約19円)の価格差をつけられている」。

モガッダム氏はまた、仲買が入る場合と入らない場合の価格差について述べた。「米市場の生産品には概して2種類ある。一つは仲買を経ずに農家から買い取られて出荷されるもの。もう一つは一部の商人に質の劣る銘柄を混入され、そのままの価格で出荷されるものだ。これらの銘柄について、仲買を経た米かそうでないかを識別する能力があるのは専門家だけだ」。


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( 翻訳者:吉村 かすみ )
( 記事ID:2670 )