アル=カーイダがイラクでロシア人4人の殺害を発表(アル・ナハール紙)
2006年06月26日付 Al-Nahar 紙
■ アル=カーイダがイラクで4人のロシア人殺害を発表
■ 和解イニシアチブ、スンナ派のいくつかの要求に応える
2006年06月26日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
イラクのヌーリー・アル=マーリキー首相は昨日、国民議会に対して、イラクの政治プロセスにおいて隅に追いやられていたグループ、特にアメリカ軍やイラク軍を狙った多くの攻撃に関して嫌疑をかけられているスンナ派の取り込みを目的とする国民和解イニシアチブを発表し、暴力を放棄しアメリカ人もイラク人も殺害しなかった武装勢力メンバーに対しては恩赦を行うことを提案する一方で、殺人行為に固執する者らに対しては鉄拳制裁を下す姿勢を示した。武装グループとの直接対話に向けての明確な呼びかけは発しなかった。マーリキー首相のイニシアチブは、彼が「イラクの生活の醜悪なありさま」と描写した状況を終わらせる方法や、各派民兵との交渉の方法などといった重要な詳細についての言及に欠けているものの、国軍や警察に対して、国内の治安維持の任務を早急に引き受けるよう具体的な指示を発している。それにも関わらず、マーリキー首相はアメリカ軍その他の同盟軍のイラク撤退の時期に関するスケジュールには触れなかった。一方「ニューヨーク・タイムズ」紙がアメリカ政府高官の話として伝えたところによると、イラク駐留多国籍軍のジョージ・ケーシー最高司令官は、夏の終わりか秋の初めまでに部隊の数を2個旅団削減する計画を立てたという。
日本は兵士550名からなる部隊のイラクからの撤退を開始した。
ホワイトハウスは国民和解イニシアチブを、一国の政府による民主主義の実践であり、主権の行使であるとして歓迎した。またケン・リサユス報道官は「我々は、国民和解がイラク人の遂行するイラクの行為でなければならないということを知っている」と発表した。またアメリカ合州国は「イラク人が求めた」ら「イラクを支援するために」イラク政府の傍らに立つであろう、と述べた。一方で同報道官は、「それは行為の始まりであり、終わりではない」「それは時間を要することを、我々は理解している」と強調した。
マーリキー首相のイニシアチブはイラクのスンナ派に対して、「バアス党排除法を見直し、その際に法律を遵守し司法に委ねること」や各派民兵の解体といった複数の基本的な要求に応えるものであり、国民会議のスンナ派とシーア派、クルド派の会派の代表者らはそれを支持したが、それぞれが優先事項に関して異なるビジョンを反映する見解を表明した。
しかしイラク西部の武装グループに近い筋によると、その武装グループは首相の提案に対していかなる関心も払っていないということだ。
首相のイニシアチブ発表の数時間後、「ムジャーヒディーン評議会」というグループがインターネット上の声明の中で、6月3日にバグダッドで誘拐していたロシア大使館員4名を殺害したと発表し、彼らのうちの1人を殺害する映像を公表した。
もしそれが本物であるという事実が証明されれば、この映像はこの種のものとしては数ヶ月ぶりであり、「イラク・アル=カーイダ機構」のリーダーであるアブー・ムスアブ・アル=ザルカーウィーが3週間前に殺害されて以来初めてのものとなる。
このグループはロシアにチェチェンからの軍の撤退を求め、復讐を警告していた。
現地の新聞はこちらから
( 翻訳者:岡本亜有子 )
( 記事ID:2979 )