自営業年金受給者の悲劇 −空きベッドなくたらい回しに(Radikal紙)
2006年07月17日付 Radikal 紙

 高血圧による体調不良で病院へ運ばれた自営業年金受給者のアリ・フォルラルさん(72)を、「空きがない」との理由でどの国立病院も受け入れなかった。
 6月29日の夜、血圧が上昇したフォルラルさんはアンカラ・ヌムネ病院に運ばれた。フォルラルさんは病院に(ベッドの)空きがないとの理由で、翌朝退院させられた。フォルラルさんの娘、ナズィレ・エルドゥルジャンさんは、アンカラにある他の国立病院を回ったが、そのすべてから「空きがない」との返答を受け、父親をバシュケント大学病院へ入院させた。この病院で5日間の治療を受けたフォルラルさんは快方に向かい始めた。しかしながら、自営業者保険組合が医療費の半分を支払うにも関わらず、5日間の医療費が900新トルコリラ(約68,000円)となると、フォルラルさんは退院せざるを得なくなった。その日の夕方、再び病状が悪化したため、再度、バシュケント大学病院へと運ばれたが、受け入れられなかった。
 エルドゥルジャンさんは、今度は父を私立ファーティフ大学病院に入院させた。静脈瘤が2箇所あったフォルラルさんは、翌日意識不明へと陥った。医療費は、薬代を除いて一日700新トルコリラ(約53,000円)かかり、自営業者保険組合がこの費用を支払わないと知ったエルドゥルジャンさんは、診断書を持って、上述のアンカラ・ヌムネ病院や、バシュケント大学病院、アンカラ・ドゥシュカプ病院へ向かった。しかし、診断書をみた病院は、「フォルラルさんは脳死しました」と言って取り合わなかった。私立ファーティフ大学病院はといえば、この事実を隠蔽し、「命ある限り希望を持ちましょう」と言って彼女の父に集中看護措置を取り続けることを提案した。医療費用は7000新トルコリラ(約528,000円)に達したと話すエルドゥルジャンさんは、関係各所に助けを求めている。


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( 翻訳者:及川治香 )
( 記事ID:3013 )