ハッラーズィー、外交戦略評議会について語る シャルグ紙
2006年06月28日付 Sharq 紙

2006年6月28日付シャルグ紙

【IRNA】外交戦略評議会議長に就任したキャマール・ハッラーズィーは、同評議会は外交政策の策定に欠けた部分を補うために設置されたとの見方を示した。

 ハッラーズィー議長は昨日「最高指導者令にも明確に述べられているように、この《欠けた部分》とは、外交政策における《戦略》という名のミッシング・リンクに他ならない」と述べ、さらに次のように付け加えた。「最高指導者はしばらく以前より、外交政策の領域でミッシング・リンクがあるのではないかと感じていた。つまり、外交政策ではまず、体制のマクロな政策が公益判別評議会によって策定され、最高指導者による決裁の後、諸々の実行機関に通達されるわけだが、しかしこれらの実行機関には政策を実行する際にもとづくべき戦略が欠けているのである」。ハッラーズィー議長はさらに、「外交政策において、戦略がミッシング・リンクとなっているとの認識のもと、最高指導者はこの評議会の設置を決定されたのである」と述べた。

 ▼ 外交戦略評議会は実行機関ではない

 ハッラーズィー議長は外交戦略評議会の役割についての質問に対し、外交のさまざまな次元に言及した上で、「この評議会は、外交という分野における戦略を策定し、それを最高指導者に提出することをその任務とすることになるだろう。最高指導者の決裁の後、外交を担う諸々の実行機関は協調して、策定された戦略に基づき行動を起こすことになる」と答えた。

 同議長はまた、次のように述べた。「《今後二〇年間の展望》に関する計画文書や第4次開発計画など〔行政に関する長期計画〕が存在することは確かだ。しかし、外交の領域では、いろいろな人が自ら計画や任務を〔ばらばらに〕推し進めている。最高指導者はしばらく前から、この分野では何かが不足していると感じ取り、実行機関の協力を得ながら戦略を策定することのできる、戦略評議会の設置を追求してきたのである」。

 ハッラーズィー議長はまた、「この評議会は、外交に関する明確な方法を戦略として、既存の機関に提供することで、これらの機関を支援することを目的としている」と説明した。同議長はさらに、「戦略評議会と実行機関の任務がオーバーラップするようなことはありえない」とした上で、「この評議会は実行的な役割を担うものではない。他の機関と役割がオーバーラップするような事態を望んでいるわけではない。戦略評議会の役割とは、もっぱら戦略の策定とその最高指導者への提起である」と強調した。

 最高指導者令の中心の一つに、「専門家の意見の活用」という表現があるが、外交戦略評議会ではあらゆる専門家の能力が活用されることになるのか、とのIRNA記者の問いに対し、ハッラーズィー議長は「然り。政権内にも、政権外にも、大学や研究機関にも、多くの優秀な人材がいる。外交の舞台で何年も仕事をしてきた専門家たちの意見を全て活用することが望ましい」と答えた。

 ▼ 核問題をめぐる戦略

 IRNA記者は、イランの外交政策の中心的課題の一つに、イラン核問題をめぐる議論があるが、と前置きした上で、外交戦略評議会の核問題との関わり合いについて、ハッラーズィー議長に質したところ、同議長は次のように述べた。「われわれは〔外交政策の〕実行に関するプログラムは有していない。核問題をめぐる政策の実行に関しては、国家安全保障最高評議会がそれを検討することになっている。しかし、大局的政策やその実行戦略に関しては、最高指導者が決定することであり、したがってもし戦略評議会が核問題において、国の大局的政策や最終的目標に到達するための戦略に関して、何らかの見解をもつに至るならば、それを最高指導者に進言し、判断を仰ぐことになろう」。

 外交戦略評議会議長はさらに「あらゆる外交問題は、戦略的レベルにある限り、外交戦略評議会の任務にかかわる。しかし、同評議会は実行のレベルには決して介入することはないだろう」と強調した。

 ▼ 諸機関との関係

 ハッラーズィー議長は、外交戦略評議会と外務省および国家安全保障最高評議会との関係について質問され、「われわれはあらゆる機関と緊密な関係を築く必要がある。というのも、どの機関もその道のもっとも高度な専門機関であり、最新の情報にも接しているからだ」と答えた。その上で同議長は、「戦略が策定され、最高指導者がそれを決裁する際、戦略の策定作業に当の実行機関が参加するとよいだろう。というのも、当然のことながら、実行に向けてより良い準備が可能となるからだ」と述べた。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2869 )