エルドアン首相、キプロス問題に関してEUを批判(Radikal紙)
2006年07月21日付 Radikal 紙

7月20日の式典(※)に列席したタイイプ・エルドアン首相はヨーロッパ連合(EU)を激しく非難した。エルドアン首相は、キプロス問題がトルコのEU加盟交渉の妨害に利用されているとし、「大きな過ちだ。現実を見ていただきたい。実際に起こっている事を新たな視点で見ていただきたい。キプロス問題を解決するのはEUではなく国連だ」と話した。

同首相は式典の中で、ギリシャ系住民が(両住民の)反目の代償をトルコ系住民に支払わせるのは大きな矛盾であり重大な過ちであるとした上で、「キプロスのトルコ系住民に対する不当な分離政策を終らせるための措置を早急にとる必要がある。EUを筆頭に、国際社会は約束を果たすべきだ。歩み寄りを求める側に制限を課すのは正しくない」と述べ、次のように続けた。

■「1つの国家を構成している」

「二地区体制から成る、政治的に平等な、(2つの民族が)同等の地位を持つ新たな連合政府の設立と、我々の保証人としての立場の保護は、譲れない原則だ。キプロスで双方の指導者が会談を行い、合意に達するのが望ましいと考えている。我々は国連が開始した新たなプロセスを支持する」。

首相は、(1974年の)平和維持軍派兵が困難かつ勇気を要する決断の末であったとし、「4年間行ってきた外交交渉も同等の勇気を要する政治的決断だった。変革を目指す姿勢を示すことで、北キプロス・トルコ共和国(北キプロス)の大きな前進をもたらした」と述べる一方で、首相は北キプロスを「チャンスに満ちた国」に変えていくと約束した。

さらに首相は、BRT(Bayrak Radyo Televisyon Kurumu: 北キプロスのトルコ系放送局)に発表したコメントによってもEUにメッセージを送った。北キプロスに「マイノリティのレッテル」を貼ることに執心しているとしてEUを非難、「無駄な期待は持たないようにして頂きたい。北キプロスの国民はマイノリティなどではない。1つの国家を構成しているのだ。そして国として認めているのがトルコなのだ」と話した。

北キプロスのメフメト・アリ・タラート大統領も式典で、ギリシャ系住民側の政策は「トルコのEU加盟交渉を待ち伏せることを前提に作られている」と述べた。「ギリシャ系住民はトルコが自分たちの妨害に降参して北キプロス支援をあきらめるだろうと考えている。しかしこんなことは決して起こらない。EUはギリシャ系住民に問題解決を迫らなければならない」。トルコのアフメト・ネジュデト・セゼル大統領も声明で、北キプロスに孤立状態から脱するよう求めた。


※訳者注:7月20日は北キプロス共和国の自由と平和の祝日。1974年、キプロスで起こったギリシャ併合強硬派によるクーデターの際トルコ軍がトルコ系住民の保護を目的にキプロスに出兵した。本式典はその32周年を祝うもの。

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( 翻訳者:倉本 さをり )
( 記事ID:3049 )