トルコ政府、レバノン在住アメリカ人避難のため空軍基地開放(Milliyet紙)
2006年07月22日付 Milliyet 紙
トルコは、レバノン在住のアメリカ人避難のためにインジルリッキ空軍基地を使用することを人道的な見地から許可した。アメリカは、トルコ政府とトルコ軍へそれぞれ感謝を述べた。
トルコは、レバノン在住のアメリカ人避難のためにインジルリッキ空軍基地を使用することを人道的見地から許可した。2000人のアメリカ人は、船で到着するメルスィンからトルコへ待つことなしに入国し、インジルリッキ空軍基地から空路で自国へ送られる。アメリカの護送車を警護するための12人編成の武装チームの入国要請は却下された。
レバノン在住の2万5千人のアメリカ人の一部を南キプロス経由で避難させた合衆国政府は、南キプロスの受け入れ能力が限界に達したため、トルコ経由で避難するために外務省へ要請を送っていた。アメリカ側からのトルコへの優先的要求は、レバノンから海路でメルスィンへ移送されるアメリカ人が空路でアメリカへ送られる際、インジルリッキ第10タンカー基地の使用許可が与えられることであった。
■参謀本部は「OK」と答えた
政府、参謀本部、外務省は要請を肯定的にとらえ、「人道的見地」を重視しながら、軍事基地であるインジルリッキを民間のアメリカ人の避難に使用することを許可した。交わされた協定によれば、船がメルスィン港へ接岸したときに、アメリカは避難するアメリカ人の身元をリスト化してトルコへ受け渡す。トルコもリストに記載された氏名をもつ人を待たせずにインジルリッキへ移送する。避難を迅速に行うため、パスポート法第6条が適応され、アメリカ人のパスポートを示すだけでトルコへ入国できる手はずが整えられた。
前日に与えられた許可に従って、海路ベイルートを出発したおよそ2000人のアメリカ人の一団は、今日(22日)メルスィン港からトルコへ入国する。アメリカ大使館は与えられた許可について、昨日(21日)行った会見でトルコへ感謝を述べた。会見では、トルコ政府とトルコ軍へそれぞれ感謝の意が示されたことが注意を引いた。
■武装チームの上陸は拒否
インジルリッキの使用許可が与えられたとき、トルコとアメリカの高官で行われた会談で、護送車の安全を誰が確保するかという問題で危機的状況が生まれた。アメリカ側は、アメリカ人の安全を確保する目的で12人の軍人からなる武装チームを任命し、トルコへ入国できるよう求めていたが、トルコ政府はこの要請を受け入れなかった。護送車の安全をトルコ側が保障し、アメリカのチームの上陸は許可されないことが発表された。
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( 翻訳者:古瀬 由加里 )
( 記事ID:3054 )