国産エビの95%が輸出用 ハムシャフリー紙
2006年07月23日付 Hamshahri 紙

【経済部】イランは自然条件に恵まれているにもかかわらず、世界のエビ産業界では分が悪い。ここ数年、フーゼスターンの養殖場で白斑病が発生するなど散発的な問題で、エビの生産高は減少している。アルスラーン・ガーセミー国家水産物養殖・輸出共同組合長に聞いた。

▼ ここ数年、国産エビの生産高が下降気味だが、83年〔2004-05年〕に比べてエビの生産と養殖は何%減少しているか?
- エビの生産と養殖は76年から81年まで〔1997-2003年〕上昇傾向にあり、300%の成長を伴った年もあったが、81年と82年〔2002-04年〕にフーゼスターン州の養殖場で白斑病が発生したせいで、事実上そのあたりから生産高が伸び悩むようになり、昨年は83年に比べて生産高が60%減少した。

▼ 現場の生産者が被った被害額はどれくらいで、補填はあったか?
- 被害額は全体で60億トマーン〔約7億6700万円〕近かった。そのうち18億トマーン〔約2億3000万円〕が農産物保険基金から、さらに30億トマーン〔約3億8300万円〕が閣議で承認された分から払われた。つまり60億トマーンのうち、これまで計48億トマーン〔6億1300万円〕が補填されたので、生産者の問題解決には大きな助けとなった。

▼ 今年のエビの生産・輸出量の伸びはどれくらいと見込まれているか? 昨年はどれくらいだったか?
- 今年の生産高は5000トンになる見込みで、その95%が輸出される。残念ながら、国内では付加価値を見いだせないことが影響し、イラン産エビは採れたままの状態で輸出される。昨年は白斑病が蔓延したせいで生産高は2800トンで、輸出量も大体この程度だった。

▼ 世界全体のエビの生産高はどれくらいで、イランでは年間どれくらい消費されるのか?
- 世界水準では年間約1000万トン生産されており、ほとんどが工業国や、一人あたりの消費量がかなり高い日本で消費されている。残念ながら、イランは文化的に受け入れないため、一人あたりのエビ消費量は0.1グラム以下だ。もしこれが200グラムになれば、現在の3倍生産しないと国内需要に対応できなくなる。

▼ エビ産業での雇用の創出を何%と見ているか?
- 1ヘクタールにつき1.2人の直接雇用を生む。エビ繁殖4カ年計画を通じて25万人の雇用が見込める。それに、2700キロの沿岸帯と50万ヘクタールの水資源を有しているのだから、政府がもっと力を入れれば、我々もさらに生産高を上げることができる。実際、政府がもっと輸出と市場拡大のメカニズムに関心を持ち、銀行制度がエビ生産者に同調してくれたら、我が国はWTO加盟を希望しているのだから、比較的優位にあるエビ産業がその先駆者的存在になるかもしれない。

▼ エビ養殖器を輸入する件はどうなったか?
- 残念ながら獣医学庁はワノミモデル〔?〕の輸入をアメリカからのものにしか、また特定の人々にしか許可しない。組合はブーシェフルのエビ生産者が稼働率100%で活動できるよう、SPF型のエビ養殖器を、年間生産量120万トンの中国から輸入するつもりだった。
しかし現実にこの許可は下りなかった。関係責任者たちの言い分は、中国のエビ養殖器は汚染されている可能性があるというものだが、こんな言い分は必要な調査をしないかぎり正当性がないと我々は見ている。こういうわけで、ブーシェフルのエビ生産者は25%しか稼働していないのが現状だ。

▼ 水産物の生産高は全体でどれだけか? その数字は生産拡大4カ年計画終了時にはどこまで達するか?
- 漁猟と養殖の生産高は全体で40万トン。4カ年計画終了時には70万トンに達するはずだ。もちろん我々は、適切に計画を立てればこの数字を140万トンまで伸ばせると確信している。


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( 翻訳者:吉村 かすみ )
( 記事ID:3064 )