巡礼事業の評価報告書が新たな提言(Hurriyet紙)
2006年07月27日付 Hurriyet 紙

宗教庁により、巡礼組織に関する総合的な評価を行い、将来に向けた巡礼事業の戦略を立て、より包括的な対策を講じる目的で組織された「トルコ巡礼組織シンポジウム」の評価レポートが発表された。

レポートでは、国際的に行われるという特徴を持った巡礼礼拝において、登録、交通、出迎え、滞在場所、教育、保健、所持品、案内、ファトワー(イスラム法学者の法的判断)、監督の果たす役割も重要であることが説明された。

合計120人の学者、トルコ旅行代理店組合(TURSAB)幹部、旅行代理店の担当者と、サウジアラビア、マレーシア、イラン、モロッコ、ヨルダン、アゼルバイジャン、ボスニアヘルツェゴビナの代表者がシンポジウムに参加したことを伝えるレポートでは、巡礼事業の実施、登録・許可の手続き、巡礼の参加者に提供される所持品、案内、教育、交通、滞在場所、保健の奉仕、そして巡礼の間守らなければならない規則・義務に関する点が議論されたことが明らかにされた。

レポートによると、割当人数のため巡礼する機会が1度しか与えられないことから、配偶者にも一緒に巡礼に行くよう勧めることや、巡礼組織で何度も任務に就いた者や熱意と奉仕の心を失った者には職務を任せないこと、巡礼組織の職員が裕福であることがアンケートで明らかにされたほか、巡礼による社会的、文化的記憶を強くし、豊かな巡礼体験を築く目的で、職員と巡礼者が思い出や感情、思ったことを書き残すことを推奨するような原則が決定された。

■「巡礼者たちは儀式と祈りで見送られなければならない」

案内をよりよい環境で行うために携帯音声機器を提供することや、メッカとメディナで賃貸する建物にサロンと集会場があることを確認すること、巡礼者が滞在する建物の適した場所に、コーランやハディース(預言者の言行録)の解説の付された感銘的で手本となるような文章が書かれたポスターが掛けられること、さらに統一を図るためファトワー奉仕(法的判断の説明)をまとめて行うことが必要であると記されたレポートには、次のような提案があった:

「案内と教育の活動の中で宗教音楽の効果が利用されるべきである。また巡礼礼拝の間、女性が直面する問題を取り除くために必要な措置をとらなければならない。巡礼者は、住んでいる県により儀式が準備され、祈りとともに見送られなければならない。巡礼者が出発する空港には、礼拝と巡礼衣装を身に付けるための場所が用意されなければならない。巡礼期間の短縮に向けた別の交通手段の利用可能性を調査しなければならない。帰路において、巡礼者の持ち物を貨物便でトルコに運ぶことができるようにするための働きかけを続けなければならない」。

■「石投げの儀式は最も人が少ない時間に行われるべき」

巡礼礼拝の最中の問題点も取り上げられ、イスラーム法学者の論証に基づく様々な解釈を最大限適用することが必要であるとするレポートには、次のように記された:

「人命の尊さに注意を払いながら、悪魔への石投げの儀式を最も人が少ない時間に行うことが引き続き求められなければならない。生けにえの動物が衛生的な条件を満たす形で切られ、肉が利用されるとともに、この点での悪事を防ぐため、希望者が生けにえの費用をトルコにいる時に(事前に)口座に預けておき、宗教庁によってイスラーム開発銀行に送金されるようにすべきである。メディナ訪問と預言者のモスクで礼拝を行うことの美徳は疑いなく大きい。ただ、ここで行われる礼拝を40回で終わらせることは、強制ではなく任意である」。

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( 翻訳者:佐藤淳也 )
( 記事ID:3107 )