レバノン爆撃で、真っ黒の遺体に化学兵器の痕跡(Radikal紙)
2006年07月28日付 Radikal 紙

イスラエルが一般市民の犠牲者を増やす結果をもたらしたブドウ弾の投下に続き、レバノンとパレスチナのガザ地区の爆撃において化学兵器を使ったのではないかという主張に関する新たな証拠が見つかった。爆撃された村から運ばれた負傷者であふれかえっているレバノンのサイダ市のある病院の死体安置所に保管された死体から、リン以外の化学兵器が使われた疑いが浮上した。

国際赤新月社の監督下にあるサイダ市のCHS病院の死体安置所に入り、遺体の映像を放映したDHA通信社は、医師団がイスラエルが化学兵器を使用したという結論に達したと伝えた。この報道によると、7月17日に死体安置所に運ばれたイッゼッティン家の11人の家族の遺体は奇妙に黒ずんでいた。遺体には小さな弾丸の跡も、やけどの跡もなかった。さらに、全ての人の髪の毛や、男性のほおひげや口ひげさえも焼けていなかった。検死の結果、皮膚の下のやけどは確認されなかった。アリ・マンスル医師は、通常の兵器が投下された場所で起こった大規模な火災では髪の毛やひげ、体毛が燃えたことに言及し、化学兵器を使わずに家族全員が一人一人同じ形で死ぬことは不可能だと指摘した。

■リンではない

CHS病院でボランティアとして働いているパリ大学のベシル・シャム教授によれば、イスラエルが人々を科学兵器で殺したことは確実だという。シャム教授の見解は以下の通り:「今回投下された爆弾は、以前我々が事例を確認したリンを含む化学兵器とは異なっている。リン入りの爆弾が投下された場合、身体に一部分はばらばらのやけどの跡が残る。しかし今回の状況は異なっている。投下されたのが何らかの爆弾であった場合、身体が完全に黒くなることはあり得ない。(爆弾であれば)さまざまなやけどを負うかもしれないし、家族の何人かは助かる可能性があった。しかしこの家族は皆同じ様に死んだようだ。これは化学兵器が使用された証拠だ」。
三体の死体を研究室に運び、爆弾の活性要素を分析したことを明らかにしたシャム教授は、「検死の結果、得られた検体のいくつかを大学病院に送った。活性要素が何であるか分かるだろう」。

■「テスト」と書かれたプラスチック片

レバノンのエミール・ラフード大統領は、7月16日にイスラエルが焼夷弾と骨まで燃やすことのできるリン爆弾を使ったと主張していた。人権監視委員会も、ブドウ弾の使用に関し、その写真が手元にあることを報告していた。イスラエルが6月25日以来ガザ地区の爆撃で新しい兵器を使用した疑いが持たれている。ガザ地区のシファやデイルバラフの病院に運ばれた負傷者に見られるやけどは、医師を驚かせている。デイルエルバラフで20年間外科医をしているハベス・エル・ヴェヘディ医師は、「体の器官が切れている。やけどは腰から下に見られる。一部の患者の身体からは、レントゲンには映らない、やけどを引き起こす透明の爆弾片が見つかった。看護士が身体から出てきたプラスチックのかけらを持ってきたが、その上には「テスト」という文字が書かれていた」と述べた。イスラエル軍が使用した化学物質は特定できなかったと話すヴェヘディは、「これは新兵器だ。リンか化学物質、またはその混合物である可能性がある。はっきりした結論が出ることを待っている」と述べた。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:3118 )