トルコのEU加盟に対するEU諸国世論の逆風、弱まる?(Milliyet紙)
2006年07月30日付 Milliyet 紙

EU加盟国の最新の世論調査によると、トルコのEU加盟に賛成する人の割合は31パーセントから39パーセントに上昇し、反対は55パーセントから49パーセントに低下した。

欧州委員会による世論調査「ユーロバロメーター」が、EU拡大について行った最新の調査結果によると、「求められるすべての条件をクリアすれば」トルコのEU加盟に賛成すると答えた人の割合が増えていることがわかった。

■昨秋より8ポイント上昇

ユーロバロメーターのデータは、昨秋に比べトルコのEU加盟に「賛成」と答えた人の割合が8ポイント増えたことを示している。
加盟交渉がはじまるか否かの議論がピークに達していた昨秋の調査では「賛成」は31パーセントだったが、今回は39パーセントまで増加した。またトルコの加盟に「反対」の割合は、最初の調査では55パーセントだったのに対し、今回は48パーセントまで下がった。このような「改善」の反面、トルコは依然として最も加盟してほしくない国にも挙げられている。
トルコの加盟に反対している国の筆頭はオーストリアだ。同国では回答者の81パーセントが「反対」と答えており、「賛成」の割合はわずか13パーセントに留まっている。これに「反対」が69パーセントを占めたドイツとルクセンブルクが続く。キプロス共和国(南キプロス)(68パーセント)やギリシャ(67パーセント)も「反対」の割合が最も高い国々である。トルコで加盟に反対と答えた人の割合は22パーセント、最も加盟「反対」の意見が少なかったのは7パーセントでルーマニアであった。

■トルコよりもトルコの加盟を望んでいる国々

トルコのEU加盟にどの国が「賛成」しているかについても興味深い結果が出た。トルコでは回答者の54パーセントが自国の加盟に「賛成」と答えたのに対し、(トルコ以外の)5つの国で「賛成」の割合がトルコでの割合よりも上回ったことが注目される。それらの国々は、「賛成」の割合が高い順に北キプロス(67パーセント)、ルーマニア(66パーセント)、スウェーデン(60パーセント)、クロアチア(58パーセント)、オランダ(55パーセント)だった。
調査では、トルコの加盟によって利益を得るのはトルコだけであると考える人が52パーセントを占め、EUとトルコの双方にとって有益であると考える人の割合は20パーセントだった。トルコの加盟が主にEUの利益につながると考える人はわずか7パーセントに留まった。

■少数民族の権利が足かせに

トルコのEU加盟に向けて最も大きな妨げとなっているのは何かという問いに対し、43パーセントの回答者が「人権および少数民族の権利の尊重」、31パーセントが「近隣諸国との友好関係」、30パーセントが「民主主義」と回答している。
トルコでは「民主主義」が27パーセントで1位だったのに対し、フランス(62パーセント)やルクセンブルク(62パーセント)では「人権および少数民族の尊重」が最大の問題として挙げられた。南キプロス(52パーセント)やギリシャ(50パーセント)は「近隣諸国との友好関係」が、デンマークでは51パーセントで「民主主義」が最重要課題として挙げられた。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:3135 )