ヨーロッパ提案は前向きな一歩:モッタキー外相 シャルグ紙
2006年07月30日付 Sharq 紙
2006年7月30日付シャルグ紙2面
【政治部】国連安保理常任理事国5カ国が、イランに対し8月末までにウラン濃縮活動を停止するよう猶予を与える決議案で合意する一方で、マレーシアを訪問中のマヌーチェフル・モッタキー外相は金曜日夕方、ハヴィエル・ソラナEU共通外交上級代表と会談した。この会談は多分に、レバノンでの最近の出来事が原因で行われたものだが、それと同時に両者はクアラルンプールにおいて、イラン核問題をめぐる最新の動向についても議論した。
木曜日にマレーシアのサイド・ハミド・アルバル外相の招きでマレーシア入りしていたモッタキー外相は、5カ国声明を発出した後、クアラルンプールで記者会見を開き、そこでヨーロッパ包括提案について、イラン核問題解決に向けた前向きな一歩であると言及、イラン政府はそれを慎重に検討するつもりである旨述べた。
IRNAの報道によると、モッタキー外相はまた、「数日前にも、イラン政府は同提案に関して声明を発出しており、その中でイランは、核開発計画に関する疑問に答え、懸念を払拭するために、話し合いを再開する用意があると表明している」と付け加えた。同外相はさらに、「われわれは、彼らがもっとも良い選択肢を選択することを望んでいる。われわれにとってそれは、外交的な対話にもとづいて、この問題に関する協力を継続することだ」と続けた。
モッタキー外相はまた、「われわれはこの問題に関わっているすべての側が、われわれと同様に、外交的な対話という方法をこの問題の解決に選択することを希望する」と論じた。
同外相は、〔ASEAN地域フォーラム閣僚会議に出席するためにマレーシアを訪問していた〕コンドリーザ・ライス米国務長官とはなぜ会談しなかったのかとの記者の質問に対し、「そもそも会談を行うことなど、最初から期待されていたのかね」と答えた。
モッタキー外相はまた、「最初にイランの核開発計画に対して騒動が起こされたときから、われわれはつねに、同問題と向き合うには二つの道があると強調してきた」と述べ、次のように語った。「一つは《協力》であり、それはあらゆる当事者が包括的な解決を手に入れるために努力する、ということを意味する。そうすることで、問題の一方の側の懸念は解決され、別のもう一方の側もまた気持ちよく自らの計画を推進させることができる。これはすなわち、外交的な方法である」。さらに、「第二の道は、対決の道である。イランはつねにこの方法を拒否してきた」と続けた。
モッタキー外相はまた、「われわれが望むのは、《協力》の方向へと進むことである。われわれは、もう一方の側もこの政策を追求することを希望する」と述べ、さらに「イランが包括提案に対して回答することになっている8月22日まで、まだ2週間残っている〔*注:3週間の誤植か?〕。この問題をめぐって、前向きな雰囲気が醸し出され、すべての側が冷静さを保つことを希望する」と続けた。
▼ レバノン問題解決に向け、イラン政府も協力
この記者会見では、レバノン問題もまた話題に上った。モッタキー外相は、「国連安保理はこれまで、イスラエルの残忍な攻撃に直面しているレバノン及びパレスチナの人民を守る、という自らの基本的な任務を果たすことができていない」と指摘した。その上でモッタキー外相は、この失敗の原因として、ある「ヘゲモニー」が安保理を支配しているからだとの認識を示した。
外相はローマ会議についても言及し、「ローマ会議は、多くの大国が出席したにも関わらず、コンセンサスに達することができなかった。これが失敗の原因である」とし、さらに次のように語った。「イスラーム諸国は、この問題の解決のために全力を費やすことになるだろう。特にイランは、イスラーム諸国会議機構の一員として、全力で同問題の解決に資するべく努力する所存だ」。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:3140 )