イラン民間機、イスラエルの要請でトルコに強制着陸 ヒズブッラーへの武器輸送の疑いで(Milliyet紙)
2006年08月18日付 Milliyet 紙

イスラエルからの「ヒズブッラーにミサイルを輸送している。」との告発を受けて、トルコが7月27日と8月8日にイラン飛行機2機をディヤクバクル空港に強制着陸させ、検査を行っていたことが明らかになった。
ヒュッリイェト紙の報道によれば、8月8日にトルコ上空を通過しシリアに向かおうとしていたイランの飛行機が、外務省が民間航空管理局に出した警告に従いディヤルバクル空港に着陸させられた。
イラン-シリア経由でレバノンに軍事品とロケット弾が輸送されているというイスラエル当局からの告発を受けてのことだった。着陸させられた飛行機には7人が搭乗しており、検査の結果武器は発見されなかったことから、飛行許可が下りた。これに似たケースが7月27にも起こっていたことが明らかになった。

■タン外務省スポークスマン:通常の業務だ
ナームク・タン外務省スポークスマンは、「トルコは常に国際規範、国際合意に沿った行動に積極的な国である。」と述べ、今回の事件もこの枠組みの中で起こったことであると述べた。同スポークスマンは、国際規範に反したいかなる行動もあってはならないとしたうえで、このことはイランおよびイスラエルにも知られていることであり、通常の手続きであると述べた。タンスポークスマンは、飛行機の調査要求がイスラエルからのものであるかという問いに対し、「どんな国も自国のことは自国で決定し、遂行する。」と応えた。

■ヒズブッラーへの禁輸措置の責任はトルコに
イランがヒズブッラーに送った重兵器の大部分がトルコ経由で輸送されたと考えているイスラエルが、トルコ軍に対し空と陸の禁輸措置を取るよう求めたことが明らかになった。
ロイター通信にイスラエルの国防相幹部らが話したところによると、イスラエル諜報部はイランがヒズブッラーに供給した長距離ミサイル等の重兵器のうちほぼ全部がトルコ経由でシリアに、そこからレバノンに運ばれたと考えているという。
幹部らは、国連安全保障理事会がレバノンでの戦闘を停止するために採択した1701号決議案には、同時にヒズブッラーに対する武器禁輸措置も盛り込まれていると指摘。トルコがこの禁輸措置遂行の鍵を握るだろうと話している。ロイター通信によれば、ヨルダンの空域がイラン発貨物飛行機に対し閉鎖されたのに続き、イラク駐留アメリカ軍もイランからイラクへの貨物持込を許可しなかった。この二つの輸送路の閉鎖を受けて、トルコがイランのヒズブッラーへの武器輸送の鍵を握る国となったと報じられている。
イスラエル国防省幹部の一人は、「イランがヒズブッラーを再び武装化させる目的でシリアに武器を輸送するのを防ぐため、トルコには可能な限り対策を講じることを求める。禁輸措置の行く末はトルコにかかっている。」と述べた。さらに、この問題をトルコ政府と話し合っていることも示唆した。
また一方でイスラエル同幹部らはロイター通信に対し、数週間前にイスラエルのトルコ軍に、イラン発の飛行機がヒズブッラーへの中国産ミサイルを積んでいる可能性があると通知したために、イランの飛行機2機が強制着陸させられたという報道は正しいとした。




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( 翻訳者:倉本 さをり )
( 記事ID:3290 )