「トルコ軍、PKK掃討のためイランと協力し北イラクを爆撃」と英紙(Milliyet紙)
2006年08月19日付 Milliyet 紙
英ガーディアン紙は、トルコとイランがPKK(クルド労働者党)の撲滅で共闘しているとし、イランの北イラクへの爆撃の一環でトルコも北イラクを砲撃したと報じた。
ガーディアン紙は、イラン軍が4日間にわたって北イラクのクルド人居住地域を爆撃したとし、この爆撃は、テロ組織PKKの活動の撲滅を目的としたトルコとイランの共同の取り組みの一環であったと報じた。同紙は、マイケル・ハワード記者のカンディル山(※トルコ国境まで100キロメートルの地点にある北イラクの山)発の報道で、トルコも北イラクを砲撃したと述べた。
ガーディアン紙はトルコとイランがここ数週間にわたってイラク国境へ戦車、兵士と武器を集結させたことを明らかにし、イランのこの4日間の爆撃後、数十世帯ものクルド人の家族が家を放棄したと報じた。現地当局筋の話によると、家を捨てたクルド人の家族はカンディル山の後背に位置する谷にテントを張って生活しており、少なくとも6つの村が村人によって放棄されたという。家族とともに北イラクのロワン村を捨てたアブデュッラティフ・ムハンメッドは、「この辺りの山の中にPKKが基地を置いていることは知っている。衝突で被害を受けるのは我々、つまり貧しい農民だ」と語った。
PKKと関係があると言われていた人物がイラン軍の攻撃の結果死んだと話す現地当局筋は、トルコもイラク領内を砲撃したと主張した。
■「北イラクの拠点は政治的なもの」
PKKの指導者の一人、リュステム・ジュディは、前日(18日)のガーディアン紙の取材に対して、北イラクからはイラン、トルコに対して軍事行動を行っていないと主張し、「トルコの南東部に我々の戦闘員がいる。イラクに拠点を置く目的は完全に政治的なものだ」と語った。
同紙は、現地が5月から散発的に爆撃されているとし、イラクにあるPKKのキャンプに向けた軍事行動はイラクのクルド人同士の関係を疎遠にするだろうと報じた。
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( 翻訳者:富田 祐子 )
( 記事ID:3298 )