ギュル外相、イスラエル、パレスチナ首脳と会談~トルコのレバノン派兵に期待(Milliyet紙)
2006年08月21日付 Milliyet 紙

レバノンに配備される国連軍に関する交渉のためイスラエルを訪れたギュル外相に対し、イスラエルのペレツ国防相は「トルコの派兵に期待している」と述べた。

国連軍に関する交渉のため、ギュル外相はイスラエルに向かった。当地で最初の会談相手であるアミル・ペレツ国防相は、ギュル外相に「トルコ軍を派遣してほしい」と呼び掛けた。これに続き、ツィピ・リブニ外相と会見したギュルは、その後エフード・オルメルト首相に迎えられた。

ギュル外相はまず、テル・アビブのベン・グリオン空港で飛行機を降りるとエルサレムに移動し、旧市街のハラム・シャリーフ(神殿の丘)へ向かった。この日はミーラージュの夜(ムハンマドの昇天記念日)であったため、岩のドームで礼拝を行い、その後エルサレムでの交渉に向かった。

キング・ダヴィド・ホテルでのギュル外相との会談前に手短な記者会見に臨んだペレツ国防相は、ヒズブッラーは国境線に沿って軍隊を配置することは到底できないだろうと述べた。また、「ギュル外相にトルコ軍を国連軍に参加する形で派遣するよう求めている」と話した。その後、ギュル外相をエルサレムの執務室で迎えたオルメルト首相は、国連軍の配備について会談したことを明らかにした上で、トルコが中東で重要な役割を担っており、今後もその役割の継続を期待していると語った。また、このトルコの担う役割についてイスラエルは関心を抱いていると述べ、「トルコが中東地域に安定をもたらす役割を果たすことを信じている」と話した。オルメルト首相は、トルコはイスラエルが信頼している国であるとも述べた。一方、ギュル外相はこの会談の後に記者会見は行わなかった。

オルメルト首相に先立ってギュル外相と会談したリヴィニ外相は、国連安全保障理事会の第1701号決議の履行に関する懸念を表明し、ヒズブッラーへの武器供与を防ぐ必要があると話した。ギュル外相は、何事においても過去の出来事から学ぶべきことがあるとし、新たに生じた機会を利用して行われるべきことは、イスラエル兵の解放であるとともに、(イスラエルが)パレスチナで選出された自治政府の閣僚らをできるだけ早く解放することであると述べた。

■アッバース大統領との会談

イスラエルでの交渉後、ギュル外相はヨルダン川西岸地区に移動し、ラマッラーフでパレスチナ自治政府のマフムド・アッバース大統領と会談した。30分の会談で、イスラエル側との交渉から得た印象を伝えた。
席上、トルコが国連安保理の第1701号決議に従って国連軍に参加することをイスラエル側が望んだことを説明したギュル外相に対し、アッバース大統領はトルコを信頼しており、トルコのいかなる動向をも支持する姿勢を示した。また、常にトルコを支持する立場にあるということも強調した。イスラエルとパレスチナでの交渉を終えたギュル外相は、昨夜アンカラに戻った。

■ヒズブッラーへの保障

ギュル外相は、イスラエルへの出発前にイスランブルで行った記者会見で、トルコからレバノンに派遣される軍隊の任務はいかなる集団とも敵対するものではないと述べ、次のように語った:
「したがって派遣される軍隊は、和平を維持し、両国間の衝突の再発を防止するためだけの任務に従事することになる。派遣軍の任務には、ヒズブッラーと ―というのもヒズブッラーもレバノンの一部であり、政府を代表している―、あるいは他の集団と対峙するようなものは含まれない。

■ギュルへ「この地を救ってください」との呼び掛け

エルサレムでアクサー・モスクを訪れたギュル外相に、一人のパレスチナ人の若者が大きな声で「ここへ来て、我々を救ってください」と叫んだ。事件は、ギュル外相が神殿の丘の岩のドームで礼拝をした後、アクサー・モスクに入場した際に起こった。この若者は、ギュルに帯同していたイスラエルの護衛やモスクにいたパレスチナ人によって遠ざけられた。つかの間の混乱を招いたこの出来事の後に、外相はモスクで礼拝を行った。

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( 翻訳者:堀ノ内 夏子 )
( 記事ID:3314 )