5+1提案へのイラン側回答の詳細が明らかに? ハムシャフリー紙
2006年08月26日付 Hamshahri 紙
2006年8月26日付ハムシャフリー紙
【政治部】安保理常任理事国5カ国+ドイツによる提案に対するイラン側の包括的回答についていまだ検討が続く中、さまざまな反応が上記5+1カ国より伝えられている。
米政府報道官はAP通信とのインタビューで、アメリカの意思決定は、安保理決議第1696号が定める期限に基づき、この期限が切れた後、イランがウラン濃縮活動の停止に応ずるか否かに左右されるとの見方を示した。
他方、アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記はIRNAとのインタビューで、イランは5+1包括提案に対して前向きな姿勢で回答を行ったと述べ、問題の解決のために、提案のすべての中心的内容に対して注意を払ったと語った。同書記はその上で、「イラン側の回答には5+1カ国にとって関心の対象となる内容、すなわち地域の安全保障のあり方について言及されている」とも述べた。
他方、イラン原子力庁国際問題・企画担当次官は、本紙ハムシャフリーとのインタビューで、「イランは核、安全保障、経済の領域で、包括案に対して回答を行った。西洋との長期的な協力や地域の安全保障、エネルギー開発などについて考慮した内容となっている」と語った。
モハンマド・サイーディー次官はまた、イランがIAEA査察官らに対して非協力的な態度を取ったとの一部西洋メディアの報道を否定し、このような内容はIAEAの側からも否定されていると述べた。サイーディー次官はさらに査察官へのイラン側の協力は、保障措置協定やNPTの定めに則ったものであり、今後もそれに基づいて協力を続けていくと明言した。
同次官はまた、査察活動の続きとして本日IAEA査察官がイランを訪問し、IAEA理事国に提出される報告書をまとめるために、ナタンズの核施設を査察する予定であることを明らかにした。サイーディー次官はさらに、イラン側の協力は、IAEAも認めるように、最高のレベルにあり、最近の歪曲された報道は裏付けのないものだと述べた。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、イラン側回答に関してもっとも積極的に発言を行っている人物となっている。同首相はプーティン及びブッシュ両大統領と電話で会談した後、シラク大統領と会談を行い、イラン側回答は不十分であり、ウラン濃縮を停止するのか否か判然としないが、われわれは早急に自らの回答を用意するつもりだと述べた。シラク大統領もまた、イラン側回答は曖昧であるとしたが、その一方でフランス外相は、同国政府はイランと話し合う用意があると表明した。また、フランス外務省報道官もまた、イラン側とのさらなる協議に関して、担当官レベルでの接触を行う可能性があると述べた。
AFP通信は以上のように報じた上で、ロシアがイランへの制裁に対して強く反対する陣営に加わったと伝えた。ロシア国防相は、イランへの制裁について議論する必要はなく、現下の状況ではこのような作業を行う正当な理由は存在しないと論じた。それに対して、ホワイトハウス報道官は別のスタンスを示し、アメリカはイラン側の回答を検討しているところであると述べた。
その一方で、ガーディアン紙はイラン側の回答で示された一部の内容について暴露する報道をした〔http://www.guardian.co.uk/international/story/0,,1857789,00.htmlを参照〕。それによると、イラン側は回答の中で、もしイラン側の平和的な動きが安保理制裁に直面するようなことがあれば、大規模な国際的危機が生じる可能性があると指摘したという。また、イランは約100項目の疑問点を提示し、なかでももっとも重要な疑問点として、「アメリカは〔同国がイランに課している〕すべての制裁とは言わないまでも、一部の主要な制裁を解除する用意があるのか」との疑問を呈したとのことである。
同報道はまた、イラン側が提示した別の重要な疑問点として、イランは公正な貿易の実現や核燃料の供給に関してより公正な保証を求め、これらの保証を獲得するための短期間交渉の実現を要求したとのことである。またイランは、アメリカがイラン・イスラーム共和国体制の変更を追求していないということの確約を求めたともされ、これらの要求が実現されるならば、交渉の新たな道が切り開かれ、さらにウラン濃縮プログラムの停止もありうるという。
イラン公式筋からは、国家安全保障最高評議会書記が述べた以上のことは、イラン側の回答に関していまだ言及はないが、今週中〔8月26-31日〕にもイラン側の回答についてより詳しい内容が公表される可能性がある。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:3348 )