イスタンブルにプロテスタント教会堂建設される~「共和国史上初めて」(Milliyet紙)
2006年08月31日付 Milliyet 紙

トルコ人をはじめとする5000人の信徒を持つトルコのプロテスタント教徒が、イスタンブル・マルテペ区にキリスト教会堂を建設した。教会堂を建てたイスタンブル・プロテスタント教会基金のティムル・トプズ会長は、「これは共和国史上初となるトルコ人の教会です。」と語った。

イスタンブル・マルテペ区に、「トルコ人のキリスト教会堂」が建設された。建物は、教会のメンバーのうちエルジュメント・タルカン氏とメフメト・アリ・シムシェキ氏の寄付を受け、イスタンブル・プロテスタント教会基金が建設した。
本紙との会見で、同基金の今期の会長ティムル・トプズ氏は、次のように語った。
「非公式の活動を行っている教会は確かに存在します。しかし、我々のあらゆる活動はオフィシャルなものなのです。建設の計画には変更が行われ、建物は法律に適合するよう設計がなされ、そしてイスタンブル県の認可を受けた、共和国史上最初のトルコ人によるキリスト教会堂なのです。」

■正教会・カトリック教会との違い
トルコにおける正教会とカトリックの教会堂は「マイノリティ」の人々が建てたものだと、トプズ氏は述べ、以下のように続けた。
「それらの教会のすべては、共和国になる以前に建てられたもので、[現在とは]状況が異なります。我々の基金は民法の範囲内で設立されました。マイノリティの人々の教会とは異なるのです。我々の教団の大多数がトルコ出身のキリスト教徒です。ある人々は、キリスト教の信仰をあとから選択しました。ある人々は、両親祖父母がキリスト教徒でした。私は14年前キリスト教に入信しました。トルコには、プロテスタント教徒は5000人ほどいます。半数以上がイスタンブルで暮らしています。マルテペの我々の教会堂に通うのは100人ほどです。」

■新聞広告に感謝の言葉
イスタンブル・プロテスタント教会基金は、昨日新聞に掲載した広告で、教会堂への認可、開設のプロセスにおける援助に対して、ムアッメル・ギュレル・イスタンブル県知事、カーディル・トプバシュ・イスタンブル広域市長、フィクリ・キョセ・マルテペ区長、さらに諸外国からの代表者に謝意を伝えた。

■「アテネでは、モスクの建設は不可能」
「[教会堂の建設は、]トルコにとって容易な選択ではありません。しかし、民主化を進めていく上で、良いシンボルになると私は思います。トルコが変わったことを示す良いシンボルだと思うのです。現在、EU加盟国であるギリシャのアテネで、モスクの建設を行うことができない中、EUの加盟候補国であり、99%がムスリムという我が国において、今回のような認可が下りたことは重要な出来事です。」とトプズ氏は語った。
教会の礼拝指導は、スペイン出身のカルロス・マドリガル氏が務める。

■教会堂建設までに7年
教会堂建設のため、イスタンブル・プロテスタント教会基金が1999年にベイオール第4民事裁判所に提出した、400㎡の敷地に建築面積250㎡の「住居」を建設する計画は、2005年8月25日にイスタンブル広域市の指導で「礼拝所」へと変更され、イスタンブル県も2006年8月18日に「礼拝所」と認定した。
同基金が、イズミットのプロテスタント教徒に建物を譲渡し、エスキシェヒルの信徒には建物を貸与していることも明らかにされた。

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( 翻訳者:高田 利彦 )
( 記事ID:3386 )