ボスフォラス海峡沿いのナイトクラブ、騒音問題で1週間の営業停止(Radikal紙)
2006年08月03日付 Radikal 紙
“ズンズンドンドン”という大音響の娯楽のメッカであるボスフォラス海峡沿いの地域で、騒音のため営業を停止していた11カ所のナイトクラブのうち2カ所が営業を再開した。残りの9カ所は今日話し合いで妥協点を探る。
騒音問題で1週間営業停止となったボスフォラス海峡沿いのナイトクラブとレストランは、今日イスタンブル県環境局との間で会議を開き、妥協点を探る。クラブとレストランの経営者は「我々も騒音が家まで響いてくると不愉快だ」と述べ、苦情を申し立てた人に理解を示しながらも、警告なしに閉鎖させられたことについては裁判所に訴え出る予定だ。
イスタンブル県のムアッメル・ギュレル知事は、営業停止以前に警告していたと述べ、毅然とした態度で「騒音を出し続ける者は営業をやめてもらう」と話した。
イスタンブルのカラフルでにぎやかなナイトライフが1週間小休止した。イスタンブル県環境局はベイレルベイ、クズグンジュク、チェンゲルキョイの各地区から1万件を超える苦情が寄せられたことを明かし、前日に11カ所の施設に対し8月1日から1週間の営業停止を科した。ボスフォラス海峡沿いが静寂に包まれる一方、関係者は自分達の正当性を主張している。
・エンデル・アルクン(ニューヨーカー)
(営業停止は警告したのに改善しなかった)2段階目の処罰だとされているが、うちには事前に警告通知など来ていない。海の上から騒音が測られ、83デシベルが出たらしい。つまりどの施設でも、通過する船の音が混じった環境で騒音の数値が出されたようだ。今は観光シーズン真っ盛りだ。6カ月前から準備してきた結婚式がある。大変な額の損失だ。
・エブル・キョクチュルク(チュブックル・ハヤル・カフェ)
法律に違反している状態だ。法律の上限は65デシベルだが、うちでは72デシベルが出ている。しかし騒音測定のときに船が通っていたら、船の騒音も数値に入ってしまう。うちの店ではスピーカーは海ではなく店内に向いており、振動は少ない。専門家の助言を得てこうした造りにしたのだ。我々に24時間という短時間で営業停止の決定が出るなんて本当にひどい。7日間の営業停止も重すぎる。もちろん私は家に帰ったときに他からの音を聞きたくないから、他の人に自分の声が聞こえるようにはしたくない。
■騒音はクラブのものだが、処罰はみんなのもの
・バルシュ・タンセベル(観光・レストラン投資家、経営者協会会長)
今回の件はまさに基準なき処罰だ。この地域にあるのはナイトクラブだけではない。クラブの中のレストランだってある。1500人を超える従業員が働いている。イスタンブルを暗闇に閉じ込めるのは正しくない。我々は関係者と話をし、共通の分母を見つけることに賛成だ。ヨーロッパでは音を店内に閉じ込める技術がある。経営者もこうした投資をする必要がある。今回の(営業停止という)決定を先延ばしし、互いに共通の措置を講じて問題を解決したい。
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イスタンブル県のムアッメル・ギュレル知事によると、1週間の営業停止命令を受けた施設の経営者に対しては事前に警告を出していたとし、次のように話した。
「15社のうち一部には3回ずつ、残る会社にも2回ずつや1回ずつ、最低120億リラ以上の罰金を科した。必要な警告は発していた。しかし騒音は続いた。1万件を超える苦情が寄せられた。騒音を止めるか、営業を止めるかのどちらかだ。施設の従業員に損害を被らせたくはないが、仕方がなかった。法の裁きには従わなければならない」。
■2カ所は今日から再開
イスタンブル地方行政裁判所は、ソルティーとアンジェリークの各ナイトクラブに1週間の営業停止を命じたイスタンブル県環境局の決定に関し、昨晩「処罰の執行停止」の決定を下した。両施設の経営者は法的手続きを終えた後、今日から営業を再開する。
ソルティー、アンジェリークとともに8月1日から1週間の営業停止命令を受けている9カ所のナイトクラブは次の通り。ブラック、クリスタル、ニューヨーカー、レイナ、サファイア、チュブックル・ハヤル・カフェ、ジェイ―エム、アルト―モジト。
■有識者の声
・ニュケット・ディネル(心理学者)
脳は騒音を受けると「暴力や危険がある」と認識する。体はホルモンを分泌し、このホルモンが騒音の後にやって来る暴力や危険から身を守る警告を発する。この感覚に継続的にさらされた人は非常にストレスを感じ、必要な場所で必要な反応が出来なくなる。また騒音は日々の緊張を高める。感情面での感受性の鈍くなった人は過剰に反応を示す。激しいリアクションをとり、反発の度合いが高まる。常に騒音にさらされている人がアルコールや薬物を摂取していると、騒音の中に置かれた時にアルコールや薬物をより求めるようになる。騒音のある環境から静かな場所に移ってもなかなか適応できない。常に騒音にさらされている人には、(そうでない人より)適応障害がずっと多く見られる。
・アリ・ラヒミ(耳鼻咽喉科医)
耳が耐えられる最大の音圧は140デシベルだ。専門家の共通認識では、85デシベル以上の騒音は、どのような音であってもその音にさらされている時間に比例して健康に様々な害悪を及ぼす。聴覚に一時的、あるいは恒久的な障害が生じることがある。常時耳鳴りがするおそれも出てくる。
・カミレ・ユルマズ(ベイレルベイリ地区住民相互扶助協会会長)
水に反射した騒音は、(海峡の)反対側の岸にある家の寝室にまで届く。住民は眠れずにいる。店は夜中12時を過ぎてから音を益々大きくしている。
■苦情はどこへ?
騒音に苦情を申し立てたい人は警察(一番近い警察署、または155番)に申し出なくてはならない。騒音の測定は店の中ではなく、その周りで行われている。まず音楽が流れていないとき、次いで音楽が聞こえ始めたときに測定が行われる。2回の測定による音圧の違いが5デシベルを超えてはならない。営業停止命令を受けた施設ではその差が19デシベルに達していた。
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( 翻訳者:住永 千裕 )
( 記事ID:3182 )