「トルコでユダヤ人への反感高まる」と英誌報じる(Milliyet紙)
2006年08月05日付 Milliyet 紙
英エコノミスト誌は、オスマン帝国は500年前にはユダヤ人を受け入れたが、今日のトルコではユダヤ人に対する反感が高まっていると論じた。
同誌の最新号に掲載された「トルコにおける反ユダヤ主義」と題する記事で、ヤシャル・ビュユクアヌト陸軍大将が参謀長官に任命される前に、周囲の一部勢力がこの任命を阻止するため、ビュユクアヌト氏がもともとユダヤ人であり、トルコをイスラエルへより接近させようとしていると携帯電話でメッセージを送ったことが取り上げられた。
エコノミスト誌は、「為政者が自国にユダヤ人への反感がないことを誇りにしているムスリムの国で、一人の司令官の昇進の道を断つために、彼がユダヤ人であること―これは事実ではないのだが―が持ち出されたことは、憂慮すべき兆候である」と述べた。
■オスマン帝国では異なっていた
(米の世論調査機関)ピューの世界傾向調査で、トルコでユダヤ人に共感を持っていると答えた人の割合がわずか15%であったことを紹介した記事で、この傾向が、500年前にイベリア半島でカトリックの宗主から逃げ出したユダヤ人を受け入れたオスマン帝国のスルタンの態度と矛盾すると述べた。記事では、「今、ますます多くのユダヤ人が、もはやトルコでは自らの身が安全であるとは思えないと言っている。少数派の指導者の中には、死の脅迫を受けている人もいる。アル・カーイダが2003年にイスタンブルで2つのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)を爆破してから、この脅威はより大きなものになった」と記された。
トルコで反ユダヤ主義が徐々に基礎を築きつつあることが観察されたとするエコノミスト誌は、書店のカウンターでもユダヤ主義に反対する出版物の数が増えたと述べた。
■陰謀説
トルコでは、一部の勢力からも「奇妙な陰謀説」が流れていると述べるエコノミスト誌は、至福党のレジャイ・クタン党首が、20人以上を死に至らしめたノミがイスラエルの女性登山家によってトルコにもたらされたという主張の調査を求めたことが紹介された。
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( 翻訳者:古瀬 由加里 )
( 記事ID:3192 )