9.11後の米国で非人道的な扱い受けたトルコ人男性、証言のため渡米(Milliyet紙)
2006年08月07日付 Milliyet 紙
非人道的な扱いを受けたという理由で米国政府に対して訴訟を起こしたコンヤ出身の元イマーム(イスラム指導者)イブラヒム・チュルクメン氏は、陳述のため「特別ビザ」を受けてアメリカに召喚された。
9.11後に米国で非人道的な扱いを受けたという件では初めて、コンヤ出身の元イマーム、イブラヒム・チュルクメン氏は、米政府に対して訴訟を起こした。かつて、手錠をはめられ国外追放を余儀なくされたアメリカへ、今回はアメリカの発行した特別ビザで向かうこととなる。
チュルクメン氏は、アメリカのある人権団体の弁護団を通して見守ってきた裁判が、重要な局面に差し掛かっていると述べた。また、10人を超える弁護士がボランティアで裁判の過程を共に見守っており、同氏も今回陳述のために召喚されたという。
チュルクメン氏は、「弁護団を通した話し合いの末、アメリカは召喚に際し、外交官のものに似た特別ビザを私に発行した。飛行機でアメリカへ向かい、月曜から水曜の三日間でニューヨーク・ブルックリン連邦裁判所において陳述をする予定だ」と述べた。
4年半続いた裁判で、現在までは書類による証言をしてきたという。今後は、ニュージャージー・パッサイク刑務所で受けた拷問について、本人が証言をすることになる。
また、同氏は以下のことを話した。
■「他の人々のための前例となるだろう」
「アメリカの司法長官ジョン・アシュクロフトとFBI長官ロバート・モラーに対して、民族的・宗教的な差別を行ったとして、ニューヨーク・ブルックリン連邦裁判所に起こした訴訟に私が勝訴したら、これは同じような拷問を受けた人々への前例となるだろう。
宗教や国籍に関わらず、一様に法の適用がなされなければならない。私のようにひどい扱いを受けた100人におよぶ人々についても裁判が待たれている。この裁判の結果が我々を利するものとなれば前例を作ることになり、このような人々のために人権活動家達がアメリカで法廷闘争をはじめることになるだろう」
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( 翻訳者:堀ノ内夏子 )
( 記事ID:3207 )