IAEA事務局長報告に対するイラン側の反応 シャルグ紙
2006年09月02日付 Sharq 紙
2006年9月2日付シャルグ紙2面
【政治部】国連安保理がイランに対して核活動を停止するよう設定した期限が終了したのと時を同じくして、IAEA事務局長は木曜日、イランの核活動に関する報告書をIAEA理事会、及び国連安保理事会のメンバー各国に提出した。
同報告は、イランのIAEAとの協力とその継続に関して言及があるものの、「イランは濃縮関連活動を停止しなかった」とも強調する内容となっている。また、6ページにわたる同報告では、2006年6月8日の報告以後の推移について述べられており、イランがIAEAに対する便宜を継続して供与していることに言及している。
さらに同報告書では、ウラン濃縮活動の継続について触れた上で、IAEAはイランの核活動に関して残された未解決の全問題を今後も継続して調査する旨、述べられている。ムハンマド・エルバラダイ事務局長はまた、報告の中で、疑念を取り除くためのより一層の透明化を求めた。
同事務局長は報告の中でさらに、イランの技術系大学において濃縮されたウランの粒子が新たに発見されたこと、地下施設への査察官の立ち入りが禁じられたこと、IAEA査察官へのビザの発給に遅延があったことなど、イラン側の違反行為についても触れている。
▼ 話し合いの場に戻ることが必要
他方、現在イランへの対処方法について検討しているIAEA理事国・国連安保理事国へのエルバラダイ事務局長の報告に対しては、イラン政府関係者の側も反応を示している。
ハミード=レザー・アーセフィー外務報道官は、報告はIAEAとのイランの広範な協力を再度証明するものだとの見方を示し、同報告書の多くの部分でイランと査察官との間の広範な協力関係が述べられているとした上で、「イランはこれまで何度も、IAEAとの協力と対話の道を継続していく用意があると表明してきた」と付け加えた。
ISNAの報道によると、アーセフィー報道官はまた、イランの活動は「透明」で、平和的目的によるものであり、いかなる曖昧さとも無縁で、協議と対話を通じて解決しうると述べた。同報道官はさらに、アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記と異口同音に、イランは再度5+1カ国との対話を継続する用意があると強調した。IRNAの報道によると、アーセフィー報道官はまた、IAEA報告書は話し合いのテーブルに戻る必要性を示すものであるとの見方を示した。
▼ イランは孤立などしていない
在IAEAのイラン大使は、木曜日のエルバラダイ報告について、イランに関するIAEA報告書の中ではもっとも短いものだとした上で、外務報道官と同様、IAEAとのイランの協力を証明するものだと述べた。
メフル通信の報道によると、アリー・アスガル・ソルターニーイェ大使は、エルバラダイ報告書はイラン核活動が平和目的であることを証明する証拠であるとし、国連安保理事国に向けて「イランは決して孤立などしていない。非同盟諸国114カ国はわれわれを支持している。すなわち、全世界がわれわれを支持しているということだ」と述べた。
同大使はさらに、イランはこれまで懸命に対話を呼びかけてきたとし、次のように付け加えた。「われわれは対決を望んではいない。ラーリージャーニー書記がブリュッセルにいた時、関係各国の懸念の対象となっているあらゆる問題に関して、話し合いを行うことを用意がある旨表明したにもかかわらず、彼ら〔安保理事国〕が対話を中断して、イランに対する決議を行ったことは、誠に遺憾であり、非難に値する。ラーリージャーニー書記が表明したように、われわれは今でも、懸念の対象となっているすべての問題に関して、すぐにでも話し合いを開始する用意がある」。
〔後略〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:3405 )