エスファハーンの地下鉄敷設に1千人の市民が抗議 シャルグ紙
2006年09月02日付 Sharq 紙
2006年9月2日付け シャルグ紙
【メフディ・マカーレミー】先週木曜、大勢のエスファハーン市民が集会を開き、文化遺産・観光庁がエスファハーンのチャハールバーグ通りを通る地下鉄の敷設に賛同する可能性があると報じたニュースを受け、抗議を行った。
抗議者の中には、有名な研究者や芸術家も含まれており、集会では、地下鉄に反対する市民約1千名の委任状も読み上げられた。この委任状の署名者たちは、人権擁護協会メンバーのモハンマド・アリー・ダードハー氏に歴史あるチャハールバーグ通りとその他のエスファハーンの歴史的遺産を守ることを委任している。
これまでにも、文化遺産・観光庁長官やエスファハーン市長をエスファハーンの司法機関に訴えているモハンマド・アリー・ダードハー氏は、本紙記者のインタビューに答えて、「エスファハーン市民のこの要請を受け、来週からこの問題をフォローしていく」と語った。
また、地下鉄の関係者が、チャハールバーグ通りに地下鉄を敷設する方向で文化遺産・観光庁の許可を得るのに成功するだろうとしたニュースが出たことについて、「文化遺産・観光庁の前長官は、『チャハールバーグを通る地下鉄の敷設を認めない』という同庁としての見解を公式文書で即座に出しており、今になって何を根拠に地下鉄関係者の要望に賛同しようとするのかはっきりしない」と述べた。
さらに、「エスファハーンの土地も変わっていないし、歴史的遺産に使われている資材も、かつてと比較して何ら変わっていない。それにもかかわらず、文化遺産・観光庁が専門家たちの意見に基づいて出したはずのかつての見解を撤回しようとしている。その背景で何が起こっているのか不明だ」と語った。続けて、「裁判では、文化遺産・観光庁そのものも訴えられており、同庁の見解発表だけでは何ら変わることは無いということに注目しなければならない。というのも、もし同庁が地下鉄敷設の許可を出した場合、法律に基づいて、歴史的遺産の損壊や傷みに対して責任を負わなければならないからである。」と説明した。
(中略)
以前、地下鉄関係者が、チャハールバーグを通る地下鉄敷設に対し、文化遺産庁の許可を得るとの報道が出たものの、同庁担当者がこの件について、未だはっきりとした結論は出ておらず、専門家の検討結果を待っているところだとコメントしていた。しかし、先週同庁のラヒーム・マシャーイー長官がISNA(イラン学生通信)とのインタビューの中で、「チャハールバーグ通りの地下に地下鉄を通すことが、歴史的遺産の損壊にはつながらないという専門家のお墨付きが出れば、この計画に賛同するばかりか歓迎したい。一ヵ月後に最終的な結論を出すつもりだ」と語り、再び市民の不安が高まっていた。
(後略)
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( 翻訳者:關岡 敦子 )
( 記事ID:3406 )