1日あたり50万リットルのガソリンが蒸発 ハムシャフリー紙
2006年09月05日付 Hamshahri 紙

2006年9月5日付け ハムシャフリー紙

【ISNAイラン学生通信】テヘラン大気汚染軽減総合計画のファトフアッラー・インミー代表は、国内のガソリン排出方法が100年前のものであり、イランにおけるガソリン運搬システムが世界で最も老朽化しているものであると語った。

また、国際基準に基づき、ガソリンスタンドから半径30メートル以内には住宅建設が禁止されていることに触れ、「残念ながら、わが国ではこの基準が守られておらず市民の間に蒸発したガソリンが蔓延しているため悪性の心臓病、肺病を引き起こしている。またガソリンの蒸気は回収されず、そのまま大気に放出されている。ガソリンは3箇所、つまり石油精製所からタンクローリーに積み込む際と、貯蔵所で、また一部は自動車のガソリンタンク内で蒸発する。」と語った。

さらに、「ガソリン1千リットルにつき4リットル蒸発する。国内で1日あたり7千万リットルが消費されることを考えると、1日50万リットルのガソリンが蒸発していることになる。この製品(ガソリン)の実勢価格、600トマーン(約77円)で計算すると1日あたり3億トマーン(約3830万円)、年間にすると1200億トマーン(約153億2000万円)のガソリンが国内で蒸発しているといえる」と述べた。

ファトフアッラー・インミー代表は、国内における一人当たりのガソリン消費量が14リットルであると述べた上で、「この値は、ドイツでは2リットルであり、世界で最もガソリンを消費している国の一つであるアメリカでは7リットルである。」と語った。

同氏はまた、先進国では蒸発したガソリンを2つの管のノズルから回収していることに触れ、「この蒸気は、タンクローリーがガソリンスタンドに燃料を排出する際に回収され、精製所に運ばれた後ガソリンと水に変換される。オーストリアなど一部の国でも、ガソリンスタンド自体が、設置されているシステムを活用して蒸気をガソリンと水に変換しており、このプロジェクトは先進国の間では数年にわたって実施されている」と語った。

オーストリア使節団がこのシステムの技術移転を行い、蒸発したガソリンの回収を行う用意がある旨明らかにしていたものの、現在のところ石油省は、この件の実施を進めていない。


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( 翻訳者:關岡 敦子 )
( 記事ID:3426 )