ムシャラフ大統領、タラト大統領を北キプロス・トルコ共和国大統領として招待(Radikal紙)
2006年09月05日付 Radikal 紙

キプロス共和国のトルコ人指導者メフメト・アリ・タラト大統領は、トルコ以外で初めて自身を公式に北キプロス・トルコ共和国大統領として招待したパキスタン・イスラム共和国のパルヴェーズ・ムシャラフ大統領らによって、昨日手厚くもてなされた。イスラマバードを、北キプロス・トルコ共和国の国旗をつけた車で見て回ったタラト大統領は、国営放送でも北キプロス・トルコ共和国大統領として紹介された。タラト大統領は、(そのように)紹介されることを予想してはいなかったとし、しかしながらこの会談がキプロスのギリシャ人にとって重大な警告となる必要があると語った。さらに、パキスタンと共に観光業における協力関係を発展させることに同意し、両国の大臣らがお互いを訪問することになると明らかにした。
昨日の会談をニリュフェル・バフティヤル観光大臣とともに始めたタラト大統領は、ムシャラフ大統領とも約1時間会談した。相互の関係を発展させるための具体策として、二人の指導者は、とくに観光業、教育、軽工業の分野において共同で経済事業を行う見込みがあると評価した。タラト大統領は、今回の公式招待及びパキスタン国民が示した親近感や支援に対し喜ばしく思うと話し、一方ムシャラフ大統領も(キプロスの)分断状態の解消への支援を話題に出して、パキスタンはいかなる状況でもキプロスのトルコ人の側につくだろうと述べた。
タラト大統領が国営放送で声明を出す際、画面下で北キプロス・トルコ共和国大統領として紹介された。タラト大統領の背後には北キプロス・トルコ共和国の国旗が掲げられていた。
「パキスタンの支援にとても感謝している。(パキスタンはキプロスの)分断を拒否している。新たな相互協力への道を見つけ、この正当でない分断状態が取り除かれるだろうと考えている。パキスタンへは初めての訪問だがこれが最後ではないだろう」とのメッセージを出したタラト大統領は、トルコ人の新聞記者の質問に答える際、「ムシャラフ大統領の招待は、キプロスでのトルコ人の政治が受け入れられたという意味である。パキスタンは重要な地域の大国であり、支援は非常に重要である」と述べた。

■「この招待はキプロスのギリシャ人への警告である」
北キプロス・トルコ共和国大統領は、今日もチャヴドゥリ・エミル・ヒュセイン国会議長、シェヴケット・アズィズ首相、ジャヴィト・エシュレフ教育大臣と会談する予定である。タラト大統領は、これがイスタンブルでF1世界選手権を開催することよりもっと政治的な側面をもつ招待であったことを明らかにし、「どの国の政治家、いや首相が来たとしてもおそらく大統領や国会議長、首相、大臣らとのこんな広範囲な会談はできなかっただろう。すばらしいもてなしを受けている。キプロスのギリシャ人が動揺するのは無理もない。これは、国際社会及びキプロスのギリシャ人に対して、『あなた方が喜ぶからと言って、我々は北キプロス・トルコ共和国を排除しない』という警告である」と述べた。
キプロスのギリシャ人がF1に対して見せた反発を、『怒るだろうということはわかっていた、しかしトルコでF1が開催されることを妨害しようとする人たちがいるとは考えていなかった。これは、単にトルコで誰かが先頭に立ってトロフィーを授与した、というだけのことである。つまり、もしガラタサライ対フェネルバフチェのチャンピオンリーグで私がトロフィーを授与していたなら、(優勝チームは)ヨーロッパ選手権から排除されてしまうのだろうか』と批判したタラト大統領は、他の国々もパキスタンのように勇敢に、そして賢明な態度をとるよう呼びかけた。

■「F1よりも深刻だ」
キプロスのフィレレフテロス紙は、この訪問がキプロス政府とギリシャ政府にとって警告となり、直ちに、タラト大統領が「キプロスのトルコ人社会指導者」として受け入れられるようイスラマバードに接触したと記した。「これまでトルコ政府が行ってきた、北キプロス・トルコ共和国認知のための集中的かつ組織的な努力の産物」と解説されたこの訪問は、F1ショーよりも「一層深刻で否定的な展開」と見なされた。




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( 翻訳者:小野寺香織 )
( 記事ID:3429 )