アフガニスタンでタリバンと戦うNATO軍からトルコ兵参加を求む声(Radikal紙)
2006年09月07日付 Radikal 紙
タリバンと戦うNATO軍が大きな(人的)損失を被ると、上級高官はトルコ兵も戦闘に加わるよう圧力をかけ始めた。
トルコがレバノンに駐留する多国籍軍に兵士を派遣することのリスクが大きな議論を呼び起こす一方で、トルコ兵が今日まで(参加している)平和軍で鼻血さえ出さなかったアフガニスタンで激しい戦闘に加わるよう求める要請がある。3年前にアフガニスタンの平和軍の指揮を引き受けたNATOが、アフガニスタン南部でタリバンに対し実行した軍事作戦で犠牲者の数が増えると、西側の高官はトルコ兵を前線に送るために圧力をかけ始めた。
南部での指揮権を先月アメリカから引き継いだNATOの最高幹部が地域に向かう一方、外交筋は、フランス、ドイツ、イタリア、トルコが南部での大変激しい戦闘に加わるよう説得を受けたことを明らかにした。NATOのヤープ・デ・ホープ・スケッフェル事務総長とジェームズ・ジョーンズ最高司令官がアフガニスタンに行き、兵士たちのもとを訪問したあと、デイリー・テレグラフ紙に話したカーブル駐在の上級外交官は、「我々のメッセージは、すでに優先順位が南部に軍隊を派遣することになったということだ。我々はトルコ人を必要としている、少なくともこれが不信心者のイスラムに対する戦争ではないことを示すために...」。
■メデューサ作戦
2001年末にアメリカの占領によりタリバン体制が転覆して以来、アフガニスタンで最も激しい戦闘が行われたと報じる新聞は、南部で実行されたメデューサ作戦がNATO史上初めての旅団レベルでの戦闘であったことを明らかにした。タリバンを本拠地のカンダハルとその周辺から引きずり出して放逐することを目的に土曜日に始まった作戦で、NATOは250人のタリバンの兵士を殺害し、700人をわなに閉じ込めたと発表した。タリバンのスポークスマンは、NATOが殺害した人々の多くは民間人であるとし、「(NATOは)我々の兵士を10人さえ殺すことができなかった」と述べた。作戦で、軍用機1機の墜落によりイギリス兵14人が、また戦闘でカナダ兵5人が死亡したことは、NATOにとって大きな痛手となった。アメリカとともにアフガニスタンの占領を始めた国のうち、4年間でイギリスは36人、カナダは32人の犠牲者を出した。他の国は非常に危険な地域には兵士を送らないという通告付で兵士を送っていた。例えば2800人のドイツ兵の活動範囲は北部に限定されている。平和軍に参加する唯一のイスラム教国であるトルコの825人の兵士も、カーブルと西部地域に展開している。メデューサ作戦には、アメリカ、カナダ、デンマーク、オランダの兵士だけが参加し、イギリスはこれらの兵士を支援している。パキスタンのアフガン国境にいる親タリバンの部族と和平協定を結び、作戦を中止することも、タリバンの強大化につながるだろうと考えられている。
■2つの報告書も警告
こうした様相と並行する形で、2つの主要な西側のシンクタンクは、タリバンとの戦いはアフガニスタンの人々を一層貧困にするだけだと報告した。センリス・カウンシルの報告書では、軍事作戦のために何千人もの村人が戦火や飢餓により(村から)避難したことや、アヘン栽培の禁止により収入源を失った何千人もの農民が避難キャンプで窮乏していることを明らかにした。また国際戦略問題研究所(IISS)の報告書は、占領後に再度建設が行われなかったことにより大きな機会が失われたことや、治安を回復しないままパシュトゥーン人部族社会に世俗主義を守らせようとしてもうまくいかなかったことを指摘した。(テレグラフ紙、インディペンデント紙)
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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:3446 )