イスタンブルにおける「要注意」モスク -モスク殺人事件がきっかけで問題視(Milliyet紙)
2006年09月08日付 Milliyet 紙

ファーティフにあるイスマイル・アー・モスクで起こった殺人事件およびリンチ事件をきっかけに、宗教教団のモスクに注目が集まっている。イスタンブルでは至る所に宗教教団と、それらの教団が拠点とするモスクがある。信者の多い地区に修行場をかまえる教団は、大部分が自分たちで建てたモスクを利用している。

イスタンブルでは、エルケンキョイ、イスマイル・アー、ギュムシュハーネヴィの修行場と、ヌルジュ、スレイマンジュ、ウシュクチュの教団が強い勢力を誇っていることが知られている。イスラム教団や修行場、宗教グループ、宗教組織が影響力を持っている郡は次の通り:
ギュンギョレン、ベイオール、バージュラル、エセンレル、キュチュクチェクメジェ、アヴジュラル、ガーズィーオスマンパシャ、エユプ、バイラムパシャ、サルイェル、ファーティフ、ゼイティンブルヌ、キャウトハーネ、トゥズラ、ペンディキ、スルタンベイリ、カルタル、マルテペ、ベイコズ、ウスキュダル、カドゥキョイ、シレ。

■イスマイル・アー・モスクは教団のものではない

先週末に殺人およびリンチの舞台となったファーティフのイスマイル・アー・モスクの事件を受けて、イスタンブルのムフティー(宗務長官)、ムスタファ・チャウルジュ氏は本紙に対し次のように話した:
「我々は教団や宗派による区別をしない。いくつかのモスクの信徒は、特定の宗派により近い関係にあるかもしれないが、我々は(それに関係なく)宗教上のサービスを提供し、すべての信徒を受け入れる」。

さらに同氏は、すべてのモスクは宗務庁の管理下にあるとしたうえで、「宗教教団のモスク(などという分類)は、我々の規定にはない。これは社会的な問題であって、宗教的な問題ではない」と話した。
また、イスマイル・アー・モスクに集う人々が服装法を守っていないという批判に対し、チャウルジュは次のように述べた。

■「我々に権限はない」

「法的にも宗教的にも、モスクにやってくる人々の服装を法に遵守させる権限など我々にはない。我々に帰する問題は、モスクにやってくる人々の服装が礼拝の正当性の妨げになるのかどうかという点だ。宗務庁がモスクの入口に係員を配置して、『丸帽子やターバンは法律違反だ。マントを着てはならない』と言って人々がモスクへ入るのを妨害できるだろうか?イスマイル・アー・モスクも、宗務庁が管轄し、我々が派遣した職員が働き、誰もが自由に入って礼拝をすることのできるモスクだ」。
同氏はさらに、イスマイル・アー・モスクが宗教教団のモスクではないとしたうえで、「モスク周辺の社会の生活様式が他と違っているからといって、モスクがある教団の拠点であるとは言えない」と話した。

■「要注意モスクがある」

イスタンブルのムフティー、チャウルジュ氏は、モスクに関して先日も一度見解を示していた。火曜日の本紙に掲載された記事では、教団がいくつかのモスクを管理下に置いていることを認めず、「地域の特徴から必然的に、注意が必要なモスクが一部ある」と話していた。チャウルジュは、「注意が必要なモスクとはどのモスクか」との問いには、「そういった方向に話を持って行かないでいただきたい。私は仮の話をしたまでだ」と答えていた。

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( 翻訳者:倉本 さをり )
( 記事ID:3457 )