指揮者セルマン・アダ氏:「ギリシャ人がコンスタンティノポリスと呼ぶのは自然」-トルコ・ギリシャ友好コンサートで
2007年01月27日付 Hurriyet 紙
イスタンブル国立オペラ・バレエ団が1月12日にギリシャの首都アテネで行った友好コンサートで、トルコ人楽団員の襟に「オーケストラ・コンスタンティノポリス」と書かれた名札が付けられたことが表面化した。ギリシャ外務大臣ミュステシャル・ディミトリス・コツィダスも臨席したコンサートで、「コンスタンティノポリス」という表現が使われたことが、楽団員の間に反発を引き起こした。
トルコ・ギリシャ友好コンサートの一環として、アテネ国立交響楽団が始めてトルコを訪問し、1月11日にアタテュルク文化センターでコンサートを開催した。イスタンブル国立オペラ・バレエ団のオーケストラも1月12日、アテネのメガロン・コンサートホールでセルマン・アダの指揮でコンサートを催した。約2時間のコンサートでは、アドナン・サイグンをはじめ、ジェマル・エルキン、フェリト・トゥズン、セルマン・アダといったトルコ人作曲家の作品とともに、有名なギリシャ人作曲家マノリス・カロミリスの作品も演奏された。コンサートではチェロ演奏者のラフシャン・ギュヴェンチェルがソロ演奏をした。
有名なオーケストラ指揮者、作曲家でありイスタンブル国立オペラ・バレエ団の音楽総監督を勤めるセルマン・アダは、オーケストラ楽団員の襟に「オーケストラ・コンスタンティノポリス」と書かれた名札がつけられることは自然なことと述べ、本誌に対し興味深い説明をした:
「そのような事件がありました。しかしギリシャ人がコンスタンティノポリスと呼ぶのは自然なことです。我々もトルコ語で彼らのことを全然違うようにいっています。とにかく真剣にうけとるようなことではありません。私たちだって “グリーク・オーケストラ”という代わりに “ユナニスタン(注:ギリシャのトルコ語表現)・オーケストラ”といっています。文化的意味では、誰もがすきなようにいっています。一部の団員は、この状況について大使に苦情を言いました。大使は穏やかな表情で、これは普通のことだとおっしゃいました。この出来事を理解するには、言語をよく知らなければいけません。よく言語を理解していれば、それぞれの言語で、各国の国名が違うことが分かるでしょう。これは本当に自然なことです。」
■これについては対応しない
駐アテネトルコ大使のタフシン・ブルジュオールは、「この状況は我々にとっても違和感がある。しかしこの件に対し対応することはない」と述べ、次のように続けた:
「ギリシャ語でイスタンブルをコンスタンティノポリスと呼ぶのは誰もが知っていることです。英語ではイスタンブル、ギリシャ語ではコンスタンティノポリスと呼びます。我々には不自然ですが、彼らにとっては自然なことなのです。我々もコモティニのことをギュミュルジネ(註)と呼びます。このような問題はあります。でもギリシャは我々あての英語の公式文書では「イスタンブル」と表記しています。」
註:コモティニ(トルコ語でギュミュルジネ)
ギリシャ・トラキア地方ロドプ県にある市。トルコ系住民が数多く住むことで知られている。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:10018 )