イスタンブル市当局、無料の金角湾ツアーを開始
2007年01月29日付 Zaman 紙

イスタンブル広域都市直轄の文化株式会社が、「金の角」と呼ばれる金角湾への集客のために、文化ツアーを開始した。

フェスハーネ文化センターで行われた、「金角湾文明の旅」と銘打った企画のプレゼンテーションに、イスタンブル市長カーディル・トプバシュ氏、イスケンデル・パラ教授、ハルク・ドゥルスン助教授、文化株式会社社長ネヴザト・バイハン氏、詩人で作家のスナイ・アクン氏、イスタンブル選出の国会議員ネヴザト・ヤルチュンタシュ氏、及び多くの来賓がつめかけた。

昔、金角湾で魚を釣ったり、泳いだりしたことに言及したイスタンブル市長のトプバシュ氏は、イスタンブルのチャタルジャ、シリヴリ、シレといった場所も新たに注目してもらうために努力していくことを明らかにした。イスタンブルでは異なった文化が一ヶ所に集まっていると述べたトプバシュ市長は、この街の古い文化的構造の中でも金角湾には、ビザンツ帝国時代からオスマン帝国時代へ、さらには今日までつながる大変歴史的に価値のあるものが残されていると語った。1940年代の産業化とともに汚染された金角湾は、レジェプ・タイイプ・エルドアン現首相がイスタンブル市長を務めた時期に清掃が始められたことに触れたトプバシュ市長は、EUにより2010年文化首都に選出されたイスタンブルで、消失した建造物を再建し、既存の建造物を保護することが必要だと強調した。金角湾で昔から今日まで残っている価値あるものを、この文化ツアーで市民に認識してもらえると述べたトプバシュ市長は、無料で9月まで行われるツアーに参加を希望する者は市のウェブサイトで登録が必要だと呼びかけた。

一方、街というものは記憶と共にしか生かすことはできないと述べたイスケンデル・パラ教授は、「もし我々がこの記憶を取り去ってしまったら、街は単なる石と土の山になる。このために我々はツアーを実施し、イスタンブルを紹介するのです」と語った。月に170もの文化企画を主催したパラ教授は、街の住民としての意識は、街を知り、その文化を体験しながら生まれてくるのだと述べた。
もう一人、このツアーのガイド役を担うスナイ・アクン氏は、イスタンブルが「巨大な本」のようであると述べ、「一回のツアーがどれほどのものにしても、イスタンブルをこのように(ツアー参加することで)読むこともできるのだ。金角湾にあるデフテルダルモスクのミナレット(尖塔)には、昔は三日月ではなくインク入れとペンの形をした飾りがあった」と述べた。
説明のあと、イスタンブル市芸術・職業教育学校在籍者で、金角湾を題材とした写真コンテストで入賞した学生たちに、イスタンブル市長から賞が授与された。

式典ののち、45分を要するボートツアーが出発した。エユプ、キャウットハーネ、ファーティフ、エミニョニュ、そしてベイオールをはじめとして、金角湾の周辺の8キロにわたるエリアの歴史や文化的重要性が、ハルク・ドゥルスン助教授やイスケンデル・パラ教授によって説明された。金角湾の海岸では、ビザンツとオスマン期の宮殿、城壁、地下貯蔵庫、亭、離宮、給食所、ハマム(蒸し風呂)、モスクに注目が集まった。イスタンブル在住者は、文化ツアーの日程のうち、毎週日曜日14時から17時までの間は無料で利用できる。しかし事前に文化株式会社とイスタンブル市のウェブサイトで予約をする必要がある。

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( 翻訳者:山本裕一 )
( 記事ID:10020 )