■ キリスト教徒の私の娘はイスラーム系の学校に通っている
2007年01月30日付アル=ナハール紙(レバノン)HP教育面
同胞たちが再び殺し合いを始めた暗黒の時代に、ランダ・ファルハさんは本紙に対し、慈善団体マバッラート協会の学校に通う娘のスィータさんとの暮らしの体験について投稿した。この団体はイスラーム系であり、スィータさんはキリスト教徒だ。共に生きる可能性は今なお確かにある。
慈善団体マバッラート協会付属の「カウサル」高校で学ぶキリスト教徒の少女に起こっている出来事は、目を向ける価値のあるものだ。
ここはイスラーム教徒、キリスト教徒、あるいは世俗主義の政治的なグループではない。ムハンマド・フサイン・ファドルッラー師を会長とする慈善団体付属のイスラーム系学校である。私たちの前にいる少女はスィータ、フルネームをスィータラーマ・ファルハというレバノン南部の村出身のキリスト教徒の生徒だ。彼女の家族は、彼女がイスラームという宗教に親しみ、コーランを学び、アラビア語に精通し、そして彼女の歴史的遺産や文明的環境の延長である環境について勉強するために、彼女に宗教的理念を遵守するこの学校を選んだ。
スィータは学年の中で、あるいは中・高等部の中で、そしておそらく全校で唯一のキリスト教徒だ。彼女はふつうに自然に勉強を続けており、コーランを暗記し、好きな科目であるイスラーム教育を学んでいる。彼女は自分が二つの宗教を信じるイスラーム教徒でありキリスト教徒だとみなしている。
スィータが学校で最も愛しているのは、彼女の同級生たちである。そしておそらく彼女はその点において正しい。なぜなら彼女の同級生であるファーティマ、ナルジス、ルブナ、アーマール、サハル、ファラフや他の大勢は彼女と同じ感情を抱き、同じ愛情を抱き、それに加えて彼女に信頼を置いているからだ。そのため、スィータが通常通りに組ごとに行われた学年委員選挙に挑戦することを決心すると、同級生たちは彼女が学校の事務局に対する自分たちの代表になることを選び、スィータは選挙に勝利した。
スィータは同級生たちから受けた信頼を喜び、彼女らに感謝した。そしてみんなの代表となり、まとめ役となることを約束した。スィータは同級生たちに感謝するだけでなく、私たちレバノン人に、ヌールやイスラーウやマルヤムやマラークのような心の中にいかなる排外性も偏向もない幼く気高い少女たちがいる限り、排外主義など存在しない明るい明日を期待することができるのだと安心させたいと願っている。
クリスマスと新年の祭日には、スィータは校長の許可を得て教室を飾り付け、皆がそれを手伝って立派に仕上がった。スィータは犠牲祭のお祝いに、教室のリボンを飾った小さな木の横に、自分で作って飾り付けたカアバ神殿の模型を置いた。
スィータと幼く気高い同級生たちは、誰であろうとも、どんなに影響力が大きく地位の高い人物であろうとも、彼女たちの心に争乱の種を植えつけることなど許さないだろうと安心させてくれる。
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( 翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳) )
( 記事ID:10137 )