EU議会、スカーフ問題をとりあげる
2007年02月11日付 Yeni Safak 紙

欧州議会のトルコ系オランダ議員であるエミネ・ボズクルトは、報告書「トルコにおける社会・経済・政治生活における女性の役割2」を作成し、12日の一般委員会でとりあげる。報告書では、スカーフ着用禁止問題がトルコの雇用政策に影響していることが強調されている。

また、スカーフ問題がトルコにおいて「間接的差別」の要因になる心配があると注目されている。スカーフ問題がトルコにおいて「間接的差別」の要因になっているかどうか見極めるため、女性が公共部門の労働市場に進出する際に直面する差別に関して、信頼できるデータの提供がトルコ政府に要求されている。スカーフを着用している女性が雇用される際、実際の差別の有無にかんする客観的なデータを政府に提出するよう求めた要望は、報告書では以下のように表現されている。

■ トルコ政府にデータ要求

「女性が労働市場への進出に関する減少傾向にはさまざまな要因がある。トルコでは、経済成長にともなって雇用機会の増加をもたらしていない。多くの女性の場合、労働市場への進出を妨げているのは低い教育レベルにある。そのことは、女性が労働市場へ進出する際に直面する差別の問題でありつづけ、さらに明確に今なおつづく家父長制の構造をもつ(トルコ)社会全体の固定観念を明示している。スカーフを着用した女性が性別にもとづく間接的差別を受けることを危惧しつつ、本報告書はこの問題に関するデータの提供をトルコ政府に求める。」

■ 慣習殺人にNo

報告書では、未だに女性への暴力が問題であり、名誉殺人が続いていることにも触れており、トルコ東南部における女性を家族の重圧から守るシステムを向上させ、この施策の一環で安全性の高い特別な避難所をつくるよう、トルコ政府に求めている。また、この問題に関しては正確な情報を得るのがかなり困難であるため、トルコにおける避難所に関する十分で詳細なリストの作成がトルコ当局に求められている。

さらに報告書では、名誉殺人、家庭内暴力、強制結婚が非難されている。ほかにも、タイイプ・エルドアン首相が、女性への暴力阻止のため提案された解決策の実施に関し、全省、公共機関、地方行政府に宛てて指導を行う回覧を出したことを、報告書は賞賛している。

■ 女性委員会の設立求む

政治の世界で女性代表の割合の低さは、報告書が批判する要素の筆頭に来ており、この問題に関しては強制的に割り当て人数を決めるシステムに移行する必要があるとされている。

報告書は、トルコ大国民議会において常設の女性権利委員会が創設されていないのは遺憾であるとし、トルコ政府やいくつかの政党は綱領で打ち出した約束を守ることが望まれている。報告者のエミネ・ボズクルトは、トルコ議会においてこの委員会が来年にも創設される必要がある、と述べた。

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( 翻訳者:井上さやか )
( 記事ID:10145 )