現状を無視したテヘラン・モノレール敷設計画が再燃
2007年02月18日付 E'temad-e Melli 紙
【エッテマーデ・メッリー】全国地方自治体庁長官は、昨日の朝、全国地方自治体庁において記者会見を開き、首都テヘランの高架列車、すなわちモノレールの路線を5本建設することに関して、具体的な計画案を出すことで合意したと発表した。
メフディー・ハーシェミー全国地方自治体庁長官は、モノレール建設という吉報を報告したが、モノレールが費用のかかるものであり、贅沢なものであることは、内外の多くの専門家により、度々指摘されている。同時に、世界のいかなる国もモノレールを公共輸送のシステムとしては利用しておらず、公共輸送システム、特に地下鉄へのアクセスのための補助的な交通手段としてのみ、地下鉄路線が十分に整備されている状況下で、モノレールを使用していることが報告されているのである。
こうしたなか、第9政府の[計画続行の]主張と一度無効となったテヘラン・モノレール計画への政府基本予算からの割り当てにより、2つのモノレール路線が承認された。全国地方自治体庁長官の発言によると、他の3つの線路の敷設ルートも検討中であり、この3本のテヘラン・モノレール路線についても2週間以内には明らかになるという。
しかし、首都テヘランのモノレール計画へ向けた合意は、テヘランの最も重要な公共輸送手段である地下鉄の運営状態が第9政府(アフマディーネジャード政権)成立後、日毎に悪化しつづけ、地下鉄網の拡張ばかりか地下鉄車両の維持のためにすら必要な予算を獲得できずに、地下坑道を日夜ひた走る車両群を抜け出すことの困難な袋小路に追い込んでいる、という状況下でなされたものなのである。
市民の権利を傷つける不透明な行政と計画のもとで進められてきた、地下鉄の現状を無視した政策は、モノレール建設という大々的で非現実的な宣伝とともに、いまも続けられている。全国地方自治体庁長官はさらに、テヘランのモノレールは東西、および、南北という形で建設されると発表し、モノレールの路線について以下のように話している。
「モノレールはバスィージ広場からテヘランパ-ルス方面へ、また、バスィージ広場からガルエ・モルギーまで建設されることが承認されており、他の線路の敷設ルートの決定についても、現在、専門的に検討している最中である。」
(後略)
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( 翻訳者:齋藤あかね )
( 記事ID:10224 )