三者会談を前にライス米国務長官がパレスチナ・イスラエル双方と個別協議
2007年02月19日付 Al-Ahram 紙

■ アッバース大統領、本日のオルメルト首相も含めた三者会談に備え、メッカ合意についてライス国務長官と討議

2007年02月19日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ガザ:アシュラフ・アブルホウル、占領下エルサレム:諸通信社】

 アメリカのコンドリーザ・ライス国務長官は昨日、パレスチナのマフムード・アッバース大統領とラーマッラーで、イスラエルのエフード・オルメルト首相とエルサレムでそれぞれ会談し、今日エルサレムで行われることになっている三者会談に備えた。

 ライス国務長官はアッバース大統領との会談後に、「パレスチナの新しい挙国一致内閣が、中東和平カルテット(注:米・国連・EU・露)がハマース政権へのボイコットを解除するために設けた条件に応えようとする徴候は全く見受けられない」と述べつつも、「アメリカ政府としては、パレスチナの新政府樹立とその政策発表を待つことにする」と明言した。

 そして「この三者会談が現状と果たすべき義務について協議する機会となることを望んでいる。果たすべき義務とは、単にこれまでになされた諸合意を再確認するということではなく、政治的・外交的な突破口を新たに見出すことを意味する。私はこの会合に強い期待を寄せている」と語った。

 他方、MENA(中東通信社)は、「アッバース大統領とライス国務長官の会談後に記者会見は開かないということですでに両サイドが合意した。このことは、公表すべき新しい事項が何もないことを反映している」と報じた。

 一連の会談を開始するにあたりライス国務長官はまずイスラエルのアミール・ペレツ国防相およびツィピ・レブニ外相と会談した。パレスチナ挙国一致内閣をボイコットするという合意の存在について質問されたライス長官は、「そのような決定はまだなされていない」と答えた。

 同じ頃、米国務省のショーン・マコーマック報道官は、「アメリカ政府はこれから組閣される挙国一致内閣に対して判決を下すつもりはない」と述べつつも、「アメリカ政府としては、和平の国際的仲介者らが設定した諸条件をパレスチナ政府が履行するよう望んでいる」と語った。

ガザでは、挙国一致政府の組閣を任命されているイスマーイール・ハニーヤ首相が、メッカ合意を遵守し、外国の圧力に立ち向かうためにアッバース大統領の側に立つと明言した。

 一方で、パレスチナ政府のガーズィー・ハマド報道官は、パレスチナ新政府に対する「傲慢な」政策を変更するよう米当局に呼びかけ、「新政府は国際社会の支持を得ており、アメリカ政府と対話する用意もある」と述べた。またハマド報道官は「ハマースはアッバース大統領の政治活動の障害になりはしない」とした上で、「ハマースはパレスチナの全勢力が参加した政策プログラムに合意して以来、政治的に柔軟な大きな一歩を進んだ」と語った。

 エルサレムでは、イスラエルのエフード・オルメルト首相が昨日、「イスラエルは中東和平カルテットが示す諸条件を受け入れないパレスチナ政府を承認することもないし、協力することもない」と断言した。

 オルメルト首相はイスラエルの週例閣議の冒頭で、「イスラエルはパレスチナ側に、捕虜となっているジルアード・シャリット兵士の解放を含めた、他の義務の履行も要求する」と付け加えた。

 オルメルト首相に近いロニー・バルオン内相は、「メッカ合意は、ハマースを国際社会に対し無罪放免にしようとする稚拙な試みだ。イスラエルはアッバース大統領を排除してはならない。排除は彼をハマースの手中に追い込むことになる」との考えを明らかにした。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:新谷美央 )
( 記事ID:10225 )