事故で死亡した青年から4人の患者に臓器移植
2007年03月03日付 Milliyet 紙

コンヤで作業中事故に遭い、脳死が確認されたアイクト・メシェ(18)は、その臓器で2人の人間の命を救った。彼の心臓は、7年間心臓疾患を患っていたムスタファ・アクへ、腎臓は10年間透析を行っていたケマル・バシュへ移植された。
メシェの心臓は昨夜、軍用機でサビハ・ギョクチェン空港へ、それから特別な救急車でカルタル・コシュヨル高等専門教育研究病院へ運ばれ、37歳のムスタファ・アクへ移植された。
ムスタファ・アクの父親、サリフ・アクは、息子がほぼ6ヶ月間、適合する心臓を待っていたことを語り、「彼の心臓にはペースメーカーが付けられていたが、1時間しか持たなかった。そのあと彼には呼吸器が取り付けられ、安静にしていなければならなかった。しかしついに神は聞き入れて下さった。適した心臓が見つかった。これを見たら、私も自分の臓器を提供するつもりになった」と語った。
救急車でメシェの心臓をサビハ・ギョクチェン空港から受け取ったエクラン・デヴェズィ医師は、臓器移植においては時間が最重要であるとし、心臓をその場から病院へ、7分で運んだと述べた。

「4人の中で生きている」
メシェの腎臓は、セルチュク大学メラム医学部病院へ運ばれ、10年間透析を続けているケマル・バシュ(31)に移植された。父親のズィヤ・バシュは、軍隊にいた息子ケマルが、除隊まで15日というところで病に罹り、入院して腎臓病であることが判明したと語った。バシュは、その日から10年間、息子に適した腎臓が見つかることを待っていたと話し、全ての望みが断たれたそのときに電話が鳴り、うれしい結果になったと話した。メシェのもう1つの腎臓と肝臓は、アンタリヤ・アクデニズ大学医学部病院に輸送された。
5人の子どもの父親であるイスケンデル・メシェは病院へやって来て、息子が死ぬ前にテレビで見た臓器移植に関する報道に、大きな影響を受けたと語った。メシェは、「私たちは息子の臓器を提供することに決めた。私の息子は死んでいない、4人の身体の中で生きるだろう。私たちは彼らを抱きしめるつもりだ。」と言った。

2度目の人生に「メルハバ(こんにちは)」
アイクト・メシェの腎臓は、アクデニズ大学の臓器移植センターで、新聞記者のブケット・アシュチュ(30)に移植された。『ヴァタン』紙の文化芸術面を担当しているアシュチュは、1年間透析を行っていた。腎臓は、およそ4時間の手術でアシュチュに移植された。彼は手術の前、メシェの家族に感謝の意を表した。メシェの肝臓も、元助産婦のドゥルドゥ・ゾル(52)に移植された。

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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:10312 )