イランの元防衛次官、イスタンブルで失踪 
2007年03月07日付 Radikal 紙

ダマスカスからイスタンブルを訪問、4つ星ホテルに滞在の後、失踪したイランのアリーレザー・アスギャリー元国防次官兼国防司令官をCIAとモサド(イスラエルの対外諜報機関)が拉致あるいは逃亡させたとの情報が流れている。

イラン政府はトルコに調査団を派遣する一方、昨日〔3月6日〕エスマーイール・アフマディー=モガッダム警視庁長官は、欧米の諜報機関を告発した。モガッダム警察庁長官は、 63歳のアスギャリー氏発見のためにトルコ警察と捜査協力を行うと述べ、「アスギャリー氏は、国防次官のポストに就いたことがあったために西欧諸国のいずれかの諜報機関によって拉致されたと考えられる」と語った。モガッダム長官は「彼はダマスカスとトルコに私的な訪問をしていた。ホテルで三日滞在した後、失踪した。トルコ警察の捜査によって彼がトルコを離れていないことと、どの病院にもいないことが分かった」との情報を伝えた。2人の外国人が、2月6日アスギャリー氏のために3日間の予約を取り、氏も翌日に訪土したがその後失踪したと言われている。

■アメリカへ亡命の可能性も

イスラエルのメディアは陰謀説に沸いている。ハアレツ紙によれば、モサドやCIAがアスギャリー氏を拉致したかあるいは逃亡を支援したという。シャルクル・アウサト紙は、アスギャリー氏がアメリカで保護されているとの見解を伝えている。イスラエルのイラン専門家メナシェ・アミル氏は、アスギャリー氏の家族も拉致されたたのではと述べ、「手元の情報によると、妻と子どもらはアスギャリー氏が失踪する前にイランを離れた。逃亡
を決めた可能性が高い」と語った。元モサドの諜報員でマアリブ紙記者のガド・シムロン氏は、アスギャリー氏がイランの核計画について機密情報を握っていると話し、スパイが要人拉致していた冷戦の時代に戻ってしまったとの見解を示した。ジェーンズ・ディフェンス・ウイークリーのイスラエル人解説者アロン・ベン・デヴィット氏は、「リスクはあるが、核に関する情報を持っているため、モサドやCIAにとっては利用価値の高い人質になりうる」と話した。ABCニュースに情報提供しているアナリストも、アスギャリー氏が家族とヨーロッパにいて、アメリカに協力したのではと述べた。また、イランもアラブとヨーロッパ諸国にある10の革命防衛隊に関する機密をアスギャリー氏が漏洩してしまうのではないかとの恐れから再び彼を呼び戻したとする見方を示した。

■「ロン・アラド事件に関与」

イスラエルのメディアは、アスギャリー氏がイスラエル人のパイロット、ロン・アラド氏を1986年にレバノンで人質に取った事件を指揮した人物であることに言及している。この情報によると、アスギャリー氏は革命防衛隊の司令官時代に、イスラエルと戦ったヒズブッラーやその他の組織とコネクションを有していたとされる。

アラド氏は追撃されたファントム戦闘機から脱出後、シーア派・民兵組織アマルの手に落ち、ヒズブッラーの仲介によって革命防衛隊に引き渡された。アスギャリー氏はアラド氏の居場所を知っている可能性がある。

テレグラフ紙もイスラエルがアスギャリー氏からアラド氏についての情報を求めていたことを伝えた。アラド氏に関係する取引は、1996年にイスラエルがレバノン南部を爆撃したことで決裂した。
イスラエルは、あらゆる外交手段を用いて報復攻撃のいっそうの予防に努めている。

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( 翻訳者:塚田真裕 )
( 記事ID:10343 )