【政治部】ガソリンは来年から、配給制及び二重価格制によって供給されることになる。
「イラン」紙の国会担当記者の報告によれば、1386年度予算案国会集中審議の五日目に当たる昨日、午後に行われた採決により、配給制で供給されるガソリンの価格を来年のホルダード月から100トマーン〔約12円〕にすることとなった。
〔*イラン暦の1386年は、西暦2007年3月21日から2008年3月20日までの期間に当たる。ホルダード月はイラン暦の3月で西暦では5月22日から6月21日に当たる〕
国会議員たちはまた、市民のガソリンに対する余剰需要については、〔補助金の適用を受けない〕自由価格で供給することを政府に義務付けることも決定した。
国全体のガソリン消費量7500万リットルのうち、国内で生産された約4500万リットルが配給によって賄われることになる。
これによると、政府は来年から、外貨準備高をガソリン輸入に充て、同輸入ガソリンを補助金の適用を受けた価格で供給することができなくなる。
政府はこの決定に反対しており、自らが提出した政府法案では、公共交通網の整備と同時並行的に、配給制の実施、あるいはガソリン価格の適正化を提案していたが、国会はこれを受け入れなかった格好だ。
国会決議ではまた、ガソリンに加え、軽油の価格も変更され、1リットルあたり45トマーン〔約6円〕値上がりした。
ガソリン価格の設定と供給に関わる問題を取り扱う、予算案補足6第V項は、予算案をめぐる政府と国会の攻防のもっとも重要な焦点となっている。
国会の予算合同委員会はこれ以前に、ガソリンを一律150トマーン〔約19円〕とし、配給制を実施しないことを求める委員会案を決定していたが、この委員会案はインフレを惹起しかねないとの懸念から、一般世論及び専門家は反対を表明、これを受けて予算合同委員会は自らの決定を撤回していた。
昨日国会で可決されたものは、実際には予算合同委員会が第二次案として決定したものに当たる。昨日朝の国会公開本会議、及び午後の審議の大部分で、ガソリンの今後のあり方について大量の提案がなされたものの、いずれも可決には至らなかった。前述の決定が採決されたのは、このような状況の中でのことであった。
最初に行われた提案では、議員の一部は政府の予算案に立ち帰り、ガソリンに関わるあらゆる決定は閣議決定に委ねるべきだと主張したが、しかしこの提案は、政府はガソリンを初めとする9品目の価格を決定する際、国会に諮る義務があるとする〔2005年からの〕第四次五カ年計画法第三項に一致しないことから、公開本会議の議題から外された。
さらに、別の一部の議員はこの「第V項」の「補足6」からの削除、すなわち政府から別の法案が提出されるまで、政府〔の方策〕ならびにガソリン価格の凍結を要求した。この提案もまた、他の議員たちから反対の声が広範に上ったことにより、可決には到らなかった。
予算合同委員会がガソリンに関して行った決定に対して、反対派も賛成派も、極めて緊張感に満ちた時間を送っていた。予算合同委員会の決定に対する反対動議は、ことごとく委員会案の賛成派による激しい抵抗に遭ったためである。このため、国会はまったく合意に達することができずにいた。
午後の公開本会議においても、さまざまな新しい提案が提示された。その中でも最も重要なものとして、ガソリン価格を一律150トマーンで供給するという、予算合同委員会が当初決定したものと同じ内容の提案も提示された。この提案も、開発委員会の後押しを受けたにもかかわらず、可決には到らなかった。
その後、議員たちや、さらには鉱工業委員会を初めとする諸々の委員会からも次々と新たな提案がなされ、その度に否決を繰り返し、もはや未提出の提案はもう残っていないという事態に至った。そのため国会は否応なく、予算合同委員会が第二次案として決定した案を検討することとなったのである。
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( 翻訳者:前川元 )
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