エジプト、イスラエルによるエジプト人捕虜虐殺事件の調査を要請
2007年03月07日付 Al-Ahram 紙

■ エジプト、イスラエルに67年戦争における非武装エジプト人捕虜の虐殺に関する調査を要求

2007年03月07日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ブリュッセル:ディーナ・イブラヒーム・バクル、ガザ:アシュラフ・アブルホウル】

 エジプトはイスラエルに対し、1967年の6月戦争(第三次中東戦争)において、現在イスラエルの社会基盤相を務めるベンヤミン・ベン・エリエゼルが率いていたイスラエルの一師団が、非武装のエジプト人捕虜を虐殺した事件に関する調査を要請すると同時に、この醜悪な罪をテロ行動だと評した。

このエジプトの要請は、アフマド・アブルゲイト外相とイスラエルのツィビ・リブニ外相によるブリュッセルにおける昨日の会談の際に行われた。会談の終わりにアブルゲイト外相は、イスラエル政府としてこの問題の調査を監督し、調査結果をエジプトに通達するようイスラエル外相に求めたと発表した。アブルゲイト外相は「リブニ外相は1967年のエジプト人捕虜殺害シーンを写したドキュメンタリー・フィルムをまだ見ていないと反論した」と述べたうえで、リブニ外相に英語あるいはアラビア語の翻訳を伴ったフィルムの写しを送るよう求めたと語り、イスラエル外相は帰国し次第フィルムを観て、明日には結果を伝えてくるはずだと指摘した。

 またアブルゲイト外相は、「イスラエルによるエジプト人捕虜殺害の事実はエジプト国内に大きな影響を残すことになる。イスラエル側はエジプトとアラブ人民の怒りに留意して、この問題に対し誠実に対処せねばならない」と述べた。

また、エジプト人捕虜は軍事作戦中に殺害されたのであって、戦争捕虜に対する意図的な殺害ではないとするイスラエル側の言い分について外相は、「数日間、イスラエルの態度を見たうえで、もしイスラエルがこの件に関して動かないのであれば、エジプトとしてはこの問題を国際あるいは地域レベルの法的枠組みにおいて対処することになろう」と述べた。

一方、リブニ外相はそのフィルムをまだ観ていないと弁明しつつ、エジプト兵たちは戦闘中に殺されたのであって、捕虜にされていた間の話ではないとする十分な情報を得ていると主張した。またリブニ外相は、エジプトとイスラエルの戦争中に命を落とした人々がいたことに対する遺憾の意を表しつつ、「二国家間の関係は平和と相互理解の上に建てられている。戦争中に何人かの兵士が殺害されたことは水に流すべき問題だ」と述べた。

イスラエル外相は外交上の危機があることを認めている。外相代理は、「イスラエルはエジプト国内のある勢力が、二国家間の関係を壊すためにそのフィルムを利用していることを残念に思う」と語った。

昨日エジプトの諮問議会では、アラブ問題・外交・民族安全保障委員会がこの捕虜虐殺事件を非難した。サフワト・シャリーフ諮問議会議長は、エジプト人兵士およそ250人が犠牲になった虐殺は、憎しみの沼地から出てきた殺人鬼のテロリストにしか行えないような行為だと強調し、戦争犯罪であるこの事件を明らかにするため、世界レベルの行動を求めた。同じく委員会のメンバーたちは犯人の公正な処罰を求めた。
(後略)

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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:10379 )