エジプト政府、67年の捕虜虐殺についてイスラエルに再度調査を要請
2007年03月14日付 Al-Ahram 紙

■ アウワード報道官:「捕虜殺害は戦争犯罪であり、起こったことを忘れてはならない」
■ アブルゲイト外相、イスラエルのリブニ外相宛に激しい口調の書簡、シャキード師団による犯罪の調査を求める
■ ドキュメンタリーフィルムが、軍事的口実のつけようがない過剰な武力行使があったことを証明

2007年03月14日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 スライマーン・アウワード大統領府報道官は、「1967年の6月戦争(第三次中東戦争)中のエジプト人捕虜問題によって現在引き起こされている事態は、我々の殉教者の血とエジプト兵士に対して犯された戦争犯罪に対する国民の怒りを反映している」と述べ、戦争犯罪は、民族浄化および人道に対する罪と並ぶ、国際法の三つの要のうちのひとつにあたると明言した。
 
アウワード報道官は「エジプト外務省は政治、法律の両面からこの問題を追跡する責務を負う」と述べ、「我々は起こったことを忘れてはならないし、繰り返しを許してもならない。ムバーラク大統領は日頃から、平和を守るのが軍隊だと強調している」と指摘した。

中東通信局(MENA)は、アフマド・アブルゲイト外相がイスラエルのツィビ・リブニ外相に対し、先週のブリュッセルでの会合の後、激しい語調の書簡を送ったと報じた。同会合では先月二月にイスラエルのテレビ局が報道したドキュメンタリーフィルム、「シャキードの心」問題が持ち上がっていた。

アブルゲイト外相はリブニ外相に、このフィルムに映し出されたエジプト人捕虜に対するイスラエルの侵害行為の事実関係について、明確な説明をするよう求めていたが、ドキュメンタリーフィルムを観た後で再度イスラエル外相に書簡を送り、このシャキード師団というイスラエルの一師団が、確立された国際法の諸規則や戦争・戦闘中の行動や捕虜の扱いについて定めた諸原則・規則・慣習等をどこまで遵守していたのか、数々の疑問をこのフィルムは掻き立てるとの考えを繰り返した。

フィルム放映後にエジプトがとった最初の厳しい公的な反応においてアブルゲイト外相は、シャキード師団が追跡していたエジプト特殊部隊の兵士たちに対して、過剰な武力の行使をイスラエルの師団がとらねばならないような軍事的目的はなかったことをこのフィルムは示していると明言した。
書簡の中で外相は、「イスラエルはすぐにフィルムが写した事件の調査を行う義務があり、容疑者達の裁判を行うことを保証する公的な措置を取るべきで、調査結果をエジプトに通知しなければならない」と強調した。また「それは国際法に明記された義務であり、あらゆる国々はそれに違反してはならない」とも述べた。

アブルゲイト外相はイスラエルとエジプトとの戦争中に、イスラエル軍の兵士たちが人道に対する罪を犯したことを明らかにした告発や証拠について調査を行う必然性を求め、エジプトは1995年にも多数のイスラエル筋の情報によって明らかにされた事実の調査開始を公式に要請していたことを明らかにした。その調査は実際に行われ、1996年に終了したという。その上で、イスラエルには国際法に従って、調査結果をエジプトに遅滞なく、即座に通達する義務があると述べた。

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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:10416 )