在タイ・イラン大使館、現地イラン人をノウルーズの行事に招待
2007年03月18日付 Jam-e Jam 紙
【IRNA】今年イランの文化や芸術を紹介するために尽力してきた在タイ・イラン大使館は、今度はタイ在住の全イラン人をハフトスィーン〔*註1〕の食卓に招き、新年の元旦ノウルーズを祝う予定だ。
イラン暦1386年(西暦2007年3月21日から始まる1年)への年越しの行事が、イラン大使、イラン大使館職員やその他さまざまな組織の職員、及びその他のタイ在住イラン人の出席の下、ファルヴァルディーン月1日(西暦2007年3月21日)の水曜日朝6時に、バンコクのイラン・イスラーム共和国大使館の集会用大広間で開催される。
タイでは、朝6時24分に年が明けることになっている。〔註2〕
この行事では、聖コーランを朗唱し、イラン人学校の生徒らによる文化プログラムを実施し、年越しの祈りを捧げた後、タイ在住イラン人らがジャーメ・ジャム放送局を通じて放映される最高指導者の演説に耳を傾ける予定だ。
イラン人同士の団結・友好の強化間違いなしのこの行事を行った後、タイ在住のすべての同胞は、新年最初の朝食を、イラン大使館の客人として口にすることになる。
モフセン・パークアーイーン在タイ・イラン大使は、これ以前にも、タイ国際博覧会場にハーフェズィーイェ公園を作ったり、タフテ・ジャムシード(ペルセポリス)の模型を作成したり、《イラン文化の夕べ》を催したりするなど、タイの人々にイランの豊かな文化・文明を紹介し、それに親しんでもらうためのプログラムを数多く企画し、その実現のために尽力してきた人物だ。
イラン国営通信(IRNA)東アジア地域支部は、積極的に文化的活動を行ってきた同大使が1386年も、イラン文化の紹介に同様の活躍をみせることに期待したいとコメントしている。
註1:ハフトスィーンとは「7つのスィーン」という意味で、「スィーン」とはsの音を表すアラビア文字のアルファベットの一つ。イラン暦の正月ノウルーズにsの音ではじまるものを7つ用意して、食卓の周りに並べる習慣を指す。もともとゾロアスター教に由来する。
「7」という数字は、古代イランでは神聖な数字であるとされ、それぞれ再生、健康、幸福、繁栄、喜び、忍耐、美などを象徴する。そして「7つのスィーン」は、「サブゼ」(麦や豆の新芽、再生を象徴する)、「サマヌー」(お菓子の一種)、「スィーブ」(リンゴ、健康と美を象徴)、「センジェド」(木の実の一種、愛の象徴)、「スィール」(ニンニク、厄除け)、「セルケ」(酢。もともとワインが用いられていたが、イスラーム以降酒の禁止により酢に置き換わった。忍耐を象徴)、「ソマーグ」(赤い色の薬味の一種、太陽を象徴)を通常意味する。
またこれら以外にも、「セッケ」(コイン、富と繁栄を象徴する)や、金魚、火を灯したロウソクとその光をきらびやかに反謝させる鏡、赤や緑などに着色されたゆで卵(肥沃さ・多産の象徴)なども食卓に用意される。
現在の一般のイラン人の習慣は、7つの植物やハーブを植えるゾロアスター教徒の習慣からは、かなりな程度変容を遂げているとはいえ、その名残が現在も残っているとされる。
註2:イラン暦の年明けは、天文学的に極めて厳格に決められており、太陽の中心が春分点上にきた瞬間に新しい年が明けるとされる。
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( 翻訳者:齋藤あかね )
( 記事ID:10446 )