イスタンブルのファーティフ・モスク、免震工事実施へ
2007年03月25日付 Zaman 紙

ファーティフ・スルタン・メフメトの命により建立されたファーティフ・モスクは、想定される地震で倒壊する危険を、興味深い方法で防ごうとしている。ミーマール・スィナンが設計したエディルネにあるセリミエ・モスクやイスタンブルのスュレイマニエ・モスクのときに使われた鋼製土台梁を利用したシステムが今回のファーティフ・モスクにも使われる予定だ。

モスクは完全に持ち上げられ、その下に免震層が設けられ、そこに免震装置が設置される。これは水平方向に動く板状のものとなる。これにより地震が起こったときにモスクは、板上で振動を吸収し倒壊を免れる。2500万ドルの経費がかかるこのプロジェクトは、記念物委員会から許可を得るために2年かかった。このプロジェクトの入札は、来月以降に行われる予定だ。

ファーティフ・スルタン・メフメトがイスタンブルを征服した後の1470年に建立させ、自らの名前をつけたこのモスクは、これまでに二つの大規模建築(そのうちひとつは教会であるが)に用いられた鋼製土台梁システムによって守られることになる。5世紀もの歴史をもつこのモスクは、三回の大規模地震で倒壊し、再建され、1999年8月17日のマグニチュード7.4の地震ではなんとかもちこたえた。そしてこれからワクフ総局の尽力により、新しい人生を歩み始めることになる。

ワクフ総局のユスフ・ベヤズト総局長は、この歴史あるモスクの地盤が6センチずれているため、海事用の杭を用いて補強しようとしていると述べた。そして同氏は、モスクの都市施設群、中庭、給水施設、噴水そして図書館とともに全体を補強の対象とすると説明し、次のように続けた。
「モスクの地盤には深刻な問題があります。モスクは、ヴァタン通りの方向へ6センチずれを生じているのです。ヴァタン通りでマグニチュード5.0の地震が起これば、モスクにはマグニチュード7.0の規模で影響するのです。」

ベヤズト総局長は、モスクの下に免震層をもうけ、そこに免震装置をとりつけて板状のものが水平方向に動くようになると説明し、地震時には建物全体が板上で振動を吸収して倒壊を免れることに注目を引き付けた。そしてこの方法がニュージーランドやアメリカで実施されていること、そして今回トルコでは初めてモスクに使われると説明し、このモスクが大地震にも耐えるようになるだろうと強調した。また同氏は、モスクの耐震補強の方法についてはボアズィチ大学が調査を行ったことと、そして今回の修理事業に対し記念物委員会が許可を出すのに2年かかったことに触れた。プロジェクトの入札は6月から7月ころに始まる可能性があるいう。ベヤズト局長はまた、イェニカプにあるメヴレヴィーハーネ、スレイマニイェ・モスク、ヌル・オスマニイェ・モスクのプロジェクトも2年かかって記念物委員会から許可が出たことを明らかにした。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:10477 )