拘束されたイギリス兵、テヘランに移送:イラン領水侵犯を自供
2007年03月25日付 Iran 紙
■ 逮捕されたのは水兵8名と王室海兵隊員7名で、コーンウォール艦隊に所属していた。
■ イラン外務省はイギリス公使を召喚し、イギリス軍兵士の我が国領水内への違法な侵犯に対して厳重に抗議、イギリス政府の速やかな説明を求めた。
■ ある情報筋は、「イギリス兵士はペルシア湾北西部で海上船舶の検査を行っていた。彼らはイラン領水内に侵犯していたことを完全に理解していたはずだ」と語った。
【政治部】国境地帯に対する注意を怠り、イラン・イスラーム共和国領水を違法に侵犯したために、金曜日我が国の国境警備兵によって〔ペルシア湾の〕北西部で逮捕されたイギリス人兵士15名は、昨日正午、違法越境行為に対する説明を求めるため、テヘランに移送された。
逮捕された兵士らは、水兵8名と王室海兵隊員(Royal Marines)7名から成っており、コーンウォール艦隊の指揮下の部隊に属していた。彼らの軍事装備は完全で、最新の位置特定装置を保有していた。逮捕されたイギリス人兵士の中には、女性兵士もいた。
▼ イギリス人兵士らのイラン領水内への侵犯には怪しげな目的も
イラン外務省報道官は、イギリス人部隊によるイラン領水内への干渉主義的な侵犯行為には、通常とは違う怪しげな目的があったのではないかとの見方を示した。
セイエド・モハンマド・アリー・ホセイニー外務報道官は、イギリス人部隊によるイラン領水内への干渉主義的な違法侵犯行為には裏の意図が潜んでいるとした上で、国際法違反であるとして非難した。
▼ イラン外務省、厳重に抗議
駐イラン・イギリス大使館のケイト・スミス公使は、不在のイギリス大使に代わり、イラン外務省に召喚され、アルヴァンド川における我が国領水内へのイギリス海軍兵士による違法侵犯に対して、厳重な抗議を受けた。
イラン外務省のラヒームプール西欧総局長は、この面会の中で、事件の詳細を提示した上で、「イラク占領以降これまで数回にわたり、イギリス人兵士がアルヴァンド川におけるイラン・イスラーム共和国の領水を侵犯し、その理由についてより詳細に調査するために、我が国の国境警備隊によって逮捕されている」と指摘した。同総局長はその上で、我が国領水内への明らかな侵犯行為に対するイギリス政府の早急な説明を求め、さらにこのようなことが今後二度と起こらぬよう要求した。
▼ イギリス人兵士、イラン領水内への侵犯を認める
軍統合司令部文化・国防宣伝担当次官は、ファルヴァルディーン月3日〔3月23日〕金曜日にイラン領水内でイギリス人兵士15名が革命防衛隊海軍によって逮捕されたとの報道を認めた。
ISNA(イラン学生通信)の報道によると、アフシャール司令官はインタビューの中で、さらに「これらの兵士は現在取り調べ中であり、イラン・イスラーム共和国の領水内への侵犯を自供した」と付け加えた。
同司令官はまた、イラン国境警備兵が警戒を怠っていないことを強調した上で、「イラン領水を侵犯したイギリス人兵士が逮捕された事件は、我が国の軍がつねに国防に万全の準備を期していることを示すものだ」と語った。
▼ EU、イギリス人水兵の解放を要求
EUはイランに対して、不法にイラン領水を侵犯したイギリス人水兵15名を解放するよう求めた。
現在EUの持ち回り議長国を務めるドイツは、「EUはイランに対し、可及的速やかに15名のイギリス人海軍兵士を解放するよう、正式に求めることになるだろう」と述べた。
フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー独外相は記者団に対し、「これらの兵士がイラン領水に不法に侵犯したとの容疑で現在拘束されていることは、正式な情報によってすでに確認されている」と述べた。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:10489 )