興味深いプレゼント -メルケル首相からシラク大統領へ
2007年03月27日付 Milliyet 紙
EU設立50周年記念式典が週末、ベルリンで行なわれ、加盟諸国の国家元首、首相が集った。今期(上半期)EU議長国をつとめるドイツのアンゲラ・メルケル首相は、フランスのジャック・シラク大統領へナポレオンが1799年にエジプトでオスマン帝国に勝ったことを表すレリーフのついたビールジョッキをプレゼントした。
イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙は、5月に大統領任期が終了するシラク大統領にメルケルが労いのプレゼントとして渡したビールジョッキは、「フランス帝国の民主主義の後継者に対して、トルコのEU加盟を支援しないことを改めて示すメッセージ」でありうると述べた。
しかし同紙は、式典にトルコが招待されていないことを、どう考えるかと尋ねたトルコ人記者に対して「トルコがEUへ加盟すれば、他の加盟諸国と同じ席に着くことになる」と話したことから、シラク大統領がこのメッセージを受け取っていない(メルケルの意図を分かっていない)と書いた。
ビールジョッキのコレクションをしているシラク大統領は、メルケル首相からのプレゼントに対して、「メルケル首相は、私がビールを好きなことを知っている。この非常に珍しいビールジョッキをとても気に入ったと言わなければならない」と話した。
トルコは、東を見ている
イギリスのガーディアン紙は、EU設立50周年式典にトルコが招待されなかったことに関する記事で「自国に誇りを持っているトルコは、西ではなく、東を見ている」と書いた。
サイモン・ティスダールのコラムでは、トルコが加盟候補国でありながら、記念式典に招待されなかったことは、トルコ政府とメディアの反発を引き起こした、と述べられた。コラムでは、「トルコのEUに対する失望は、キプロス問題に関して合意に達しなかったため、12月に加盟交渉が部分的に停止された後により深くなった。しかし怒りや憤慨の代わりに、新しくそしてより力強い考え方が徐々に出てきている。つまりトルコは、本当はヨーロッパを必要としていないという考え、そしてトルコが我が道を歩んでいく中、そうした考えは、EUに、他者を立腹させるようなそして自己中心的な自らの排他主義を後悔させることになるだろう・・・」という表現が使われた。トルコのこの地域における役割が徐々に高まってきたことで、EUとの関係のあり方に対し考え方の変化が出てきたのだと述べるこの記者は、「カスピ海地域、ロシア、そして中央アジアのトルコ系諸共和国からの、ヨーロッパ向けの石油やガスの供給おいて、トルコは重要な輸送中継地点としての役割を果たしている。このこともまた、トルコがロシア政府とより密接な関係を築くことを確かなものとしているし、アゼルバイジャンから、カザフスタンにまで広がる「トルコ民族としての一体感」をも活気付かせている。」と書いた。
ナポレオンの勝利で、何を表したかったのか
ドイツのメルケル首相がプレゼントをしたビールジョッキには、ナポレオンが1799年にエジプトでオスマン帝国を打ち破ったことを表すレリーフがあしらわれている。
ナポレオンのエジプトでの勝利は、製作者によって生き生きと描かれている。
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( 翻訳者:丹羽貴弥 )
( 記事ID:10499 )