【経済部】イラン中央銀行総裁は、イランへの新たな制裁は大部分が象徴的意味をもったものであり、イラン経済に対してさほどの脅威とはならないとの見方を示した。
エブラーヒーム・シェイバーニー総裁はまた、イラン政府はアメリカの敵対的行為に対応する努力として、国の外貨準備に占めるドルの割合を最低限度の約20%にまで下げてきたと述べた。
マレーシアを訪れているシェイバーニー総裁は、ロイター通信とのインタビューの中で、さらに「国連による制裁は、イラン経済に対して打撃を与えるものではない。イランは大きなインパクトに対抗するのに十分な量の外貨準備を備えている」と語り、その上で「新たな制裁がイラン経済に破壊的な影響を与えるとは思わない。というのも、この制裁の対象はイラン経済にあまり大きく関連していない部門に限られているからだ」と付け加えた。
イランは継続的に、国の外貨準備をドルからユーロなどその他の主要通貨に切り替えているところであり、シェイバーニー総裁によれば、これはある程度イランに対するアメリカの敵対的行為への対応的措置であるという。
中央銀行総裁はさらに、イランに対するアメリカの敵対的行為のため、イランは現在ドルから距離を取ろうとしているところであり、この政策は今後も状況に応じて継続されると指摘した。
シェイバーニー総裁は、イラン経済の展望について、一般歳出が減少しており、インフレも収まるであろうとの見方を示した。
同総裁はまた、イスラーム銀行による金融流通量はは1兆ドル超であると述べた。
昨日、マレーシアで開かれた《イスラーム金融サービス委員会》の第10回政策評議会会合、及び第5回総会に出席したエブラーヒーム・シェイバーニー総裁はまた、我が国は同委員会の設立国の一つであるとした上で、「イランは他のイスラーム諸国8カ国とともに、イスラーム金融サービス委員会の政策評議会、ならびに同総会の常任委員の一つである」と述べた。
▼ 経済財政相:制裁に新しいところはない
経済財政相は、イランに対する国連安保理決議に新しいところはないとした上で、「この決議の内容はいずれも、昨年の時点ですでに非公式なかたちでイランに対して行われていたものである」と述べた。
ダーナー保険代表取締役離任式に出席したダーヴード・ダーネシュ=ジャアファリー経済財政相は昨日、IRNA(イラン国営通信)の記者の質問に答えて、「今回採択された国連決議第1747号は、前回の決議第1737号の延長線上にあるものであって、特記すべき点はない。この決議は何よりも、一種の《イランに対する心理戦争》に他ならない」と語った。
同相はこの点についてさらに、「決議が採択された際、国際社会はまず最初にその詳細な内容には注目しないものだ。むしろ、このような決議が採択されたということそれ自体が、ある一国に対して敵対的な特別な心理的雰囲気を醸し出すのである」と指摘した。
経済財政相はさらに、「アメリカはイランとの関係にはリスクが伴うかのような、曖昧模糊とした雰囲気を作りだし、そうすることでイラン側の負担を高めようとしている」と付け加えた。
ダーネシュ=ジャアファリー経済財政相はまた、「われわれがつねに述べているのは、この種の経済的破壊工作による損害は単にわれわれにのみ向けられるものではなく、イランと経済的な関係を有する相手国やパートナーに対しても向けられる、ということである。いずれにせよ、われわれの主要な経済パートナーもまた、アメリカ政府の圧力下にいるのである」と述べた。
同相はその上で「アメリカは事実上、イラン経済になんら関わっていない。それゆえ、イランとの国際取引の現場にどれだけ混乱をもたらそうと、アメリカにはまったく損害はないのである。むしろ損害を蒙るのは、イラン経済に関わっているその他の国なのである」と指摘した。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
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